新規事業創出を成功させるために企業側が準備すべき環境面や運営面での注意点は、以上のHEROES PROJECTの例が参考になる。しかし、それも高い独創性や強力なリーダーシップをもつイノベーター人材がいてこそ。そんなイノベーター人材を生み出すために企業がすべきことと、イノベーター人材を目指す人が持つべき心構えとは何だろうか。
及部氏はまず、イノベーターを目指す若手の人材がすべきこととして、会社で成果を残して社内で認めてもらうこと、やりたいことを見つけて行動を起こすこと、やりたいことを極めることの3つが重要だとし、そのためにも今すぐ「出会うこと、学ぶこと、経験すること」が必要だと語った。そのなかでも社内外で認められるために特に重要なのは、「出会うこと」。出会いをきっかけに、次の具体的なステップにつながる可能性が高いからだ。
出会いが次につながるかどうかは、主にその人の「志」が相手に共感されることと「行動実績」の2つが肝になる。特に「行動実績」はすぐに作ることはできないため、可能な限り早く「やりたいことを見つけて、日々努力を積み重ねることが大事」と同氏。「行動実績は誰にも奪われず、失われない。行動実績は最強の武器になる」と言い切る。
一方で企業側は、イノベーターになりうる人材を「発見」することが必要だとした。たとえば新規事業開発プロジェクトを実施したり、社外のアイデアソンをチェックしたりすることで「熱い思いでプライベート活動をしている人や、社内でくすぶっている人」を見つけられることがある。及部氏によると、すでに活動している人を見つけるのは、モチベーションとスキルが備わっていることも多いため、「めちゃくちゃラッキー」なことだという。
ただ、すでにモチベーション高く活動している人は多くはない。そうではない人のマインドをいかに積極的に挑戦していくように変えられるかがポイントとなるが、それには新しい価値観に触れさせることが効果的だと及部氏は見ている。「新しい価値観に触れた人は、やりたいことを見つけるために挑戦を始める。やりたいことを見つけると今度はその実現のために挑戦し、主体的に行動するようになって、社会の知識、経験、人脈を獲得していく」。
これにより既存の知識、経験、人脈にさらに新しい領域が加わって、イノベーターへと成長していく、というのが同氏の考えだ。「イノベーションは机上で起こすものではない。行動、経験、人脈によって発想力が生まれ、イノベーションが起こるのだ」と述べ、そのためにも「部下を信じてさまざまなことに挑戦させてほしい。行動するモチベーションを高めてあげてほしい」と聴講する管理職の人たちに訴えた。
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