楽天モバイルは、4月8日より自社回線サービス(MNOサービス)を開始する。3月3日に発表された新プラン「Rakuten UN-LIMIT」は、月額2980円(税別)で国内通話かけ放題のほか、自社回線内であればデータ通信無制限と強力なプランになっている。
同社では、自社回線エリア(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県などの一部)以外の地域に加え、自社回線エリア内であっても、地下鉄を含む地下エリア、屋内アンテナがない大型商業施設はKDDI回線にローミングする仕様となっている。今回発表されたプランでは、KDDI回線でのローミングは月2GBまでに制限されており、それ以降は128kbpsに制限されるか、1GB500円でデータ容量を追加する必要がある。
つまり、楽天回線エリア内であっても地下鉄や大型商業施設でデータ通信すると、2GBから消費されることになる。しかも、アンテナピクトに表示されるキャリア名はローミングエリア内でもRakutenと表示されるため、どちらの回線を使用しているかは一目で判別がつかない。
同社広報部に確認したところ、このローミング仕様を認めたほか、任意でのローミングオフは「現時点ではできない」とする。また、どちらの回線につながっているかは、「MyRakuten」アプリから確認できるとしているが、移動中に動画を再生している場合など、一度アプリを立ち上げて確認するのは現実的ではない。つまり、知らず知らずのうちにKDDI回線に接続してしまう可能性が大きいといえる。
楽天モバイルでは、MNOサービスの開始にあたり、300万人を対象として基本使用料が1年間無料になる大型キャンペーンを展開する。自社回線エリア外の地域では、実質的に月額2980円で通話無料、月2GBまで使えるプランとなってしまうが、1年間無料となることでローミングエリアユーザーの負担を軽減。その間に急ピッチで基地局の整備を進める狙いのようだ。同社では、2021年3月までにエリアを47都道府県まで広める予定としている。
ただし、1年間無料キャンペーンにはローミングの追加データ使用料は含まれず、先述の通り2GB以上の高速通信を使うには、1GBあたり500円を支払う必要がある。そのため、当面の間は自社回線エリア内であっても、移動圏内に地下鉄などが多いユーザーはローミング回線に注意した方が良いだろう。
一方で、見方を変えれば「必ず2GB使える+音声通話無制限の回線(かつ首都圏ならデータ無制限で使える場所がある)が1年間無料で使えるプラン」と見ることもできる。楽天回線に対応した端末が別途必要になるが、使い方によっては非常に魅力的と言えるかもしれない。
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