楽天モバイルは3月3日、自社回線を使ったモバイル通信サービス(MNO)において、料金とサービスプランを正式発表した。同日16時より新規契約限定での先行申し込みを開始。4月8日にサービスの本格運用をスタートする。また、5Gサービスは6月を予定している。
同社では、これまでNTTドコモの回線を借りたMVNOサービスとしてモバイルネットワークを展開してきたが、自社で基地局を建設し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに次いで4社目のMNOサービス事業者となる。なお、自社回線サービスを提供するにあたり、MVNOサービスの新規受付を4月7日で停止する。
携帯キャリアとしては初となる完全仮想化技術を採用し、シームレスで効率的な体制を実現するとしており、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「これまで必要だった600を超えるハードウェアをクラウドとソフトウェアで置き換えた画期的なシステム」と強調する。
自社回線の提供エリアは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県などの一部。それ以外は、KDDIの回線を借りて運用する。基地局は、2月時点で3490カ所。3月末では当初計画していた3432カ所を超え、4400に到達する予定という。2021年3月には47都道府県に基地局を設置できる見込み。
さらに、衛星モバイルネットワークにも参入。人工衛星でグローバルなネットワークの構築を目指すASTと資本業務提携を発表しており、将来的には、人口カバー率だけでなく、エリアカバー率でも国内外で100%を目指すという。
プランは一つのみのシンプルな構成。月額2980円(税別)で、自社回線内でのデータ通信が無制限になるほか、自社アプリ「Rakuten Link」を使えば、国内通話がかけ放題となる。なお、データ通信については、KDDIローミングエリア内は月2GBまでとなっており、それ以降は128kbpsに制限される(1GB500円で追加可能)。
海外ローミングも、月2GBまで無料。SMSはRakuten Linkを使えば国内外問わず使い放題となる。また、海外から国内への音声通話は無料、国内から海外や海外同士の通話は、月額980円のオプションを追加することでかけ放題になるという。ローミングは、66の国と地域で利用可能だ。
さらに、先着300万人を対象に基本料金が1年間無料になるキャンペーンも実施する。自社回線エリア以外の地域では、実質的に月額2980円で通話無料、月2GBまで使えるプランになってしまうが、1年間無料にすることで地方ユーザーの負担を軽減。その間に急ピッチで基地局の整備を進める狙いと考えられる。
なお、自社回線エリア内であっても地下鉄や大型商業施設などはローミングエリアとなり、2GB制限の対象になる点に注意したい。無料キャンペーン内であっても、ローミングエリア内で2GB以上の高速データ通信を利用するには、追加使用料として1GBあたり500円が必要となる(詳細はこちら)。
事務手数料は3300円が発生するが、Rakuten Linkを使用することで3300ポイントが楽天スーパーポイントで還元される。また、6月30日までにオンラインで申し込みした場合は、さらに3000ポイントを追加。楽天回線対応スマートフォンはすべてSIMフリーとなっているほか、最低利用期間、契約解除料は不要となっている。
2019年10月には、本格開始を前に、回線品質のテストとしてデータ通信や通話が無料で使える無料サポータープログラムを募集。2019年1月には追加で2万人を募集していた。なお、無料サポータープログラム参加者が、正式サービスを利用するには、4月8日以降、「My楽天モバイル」アプリから契約プランを変更する必要がある。MNPや楽天モバイル(MVNOサービス)を利用しているユーザーも4月8日以降での手続き開始となる。
【3月3日17時20分訂正】記事初出時、楽天自社回線の提供エリアを、東京、大阪、名古屋と表記しておりましたが、正しくは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県などの一部となります。訂正してお詫び申し上げます。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス