NECは、画像認識技術などを活用し、レジに通さず決済可能なレジレス型店舗「NEC SMART STORE」を、東京・三田の本社ビル内に2月にオープン。その内容を公開した。
購入したい商品を手に取り、レジに通すことなく、そのまま退店するだけで決済が可能な仕組みで、店舗内に設置したカメラや画像認識技術などを組み合わせることで、商品と購入者を認識。退店と同時に決済が行われ、給与システムと連動して精算される。
顔認証技術には、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用。NECが小売業向けに構築した売上管理、顧客管理などの店舗システムと、上海のスタートアップCloudpick(云拿)のデータ解析システムを連携。店舗側はレジ人員の人手不足を解消できることに加え、利用者はレジ待ち時間を無くすことができる。
通勤時や忙しい時間帯にもレジに並ぶことがなく商品を購入でき、店舗側では、どんな商品を選んだのか、どんな商品で購入を迷っているのかということもわかるという。
NECグループの11万人の社員が利用でき、1日平均200人が利用。「最初はレジがないことに戸惑う社員もいたが、レジに並ばないで購入できるのは便利といった声があがっている」という。また、すでに、NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの新野隆氏も利用。「ぜひ世の中に広げてほしい」と語ったという。
社員は、タブレットなどで顔情報を登録するが、すでに本社などで利用している顔認証システムで、顔情報を登録している社員はそのまま利用できる。技術的には社員証の写真を利用することも可能だが、写真撮影時に決済に利用するという条項を入れていなかったことから、新たに写真を撮影しているという。
入店時には、ウォークスルー顔認証により、ゲートが開く。認証のために立ち止まることがなく店舗に入ることができるのが特徴だ。各棚に設置された重量センサーと店舗内に設置された35台のカメラによって、商品を特定する。棚に設置した商品は、開店時と補充時に、場所と数を登録する必要がある。これをもとに、棚の商品が減ったことを管理者に通知することができる。
利用時にはいくつかの制限がある。ゲートでの顔認証が必要なため、入口からの入店に限定したり、購入前の商品をほかの人と交換したりといったことは禁止されている。また、一度取った商品をもう一度棚に戻す場合には、同じ棚に戻すことになっている。さらに、正確な画像認識などを行うため、最大入店者数は8人に限定している。
店舗を出る時点で、顔認証によって自動的に決済を行うが、店舗の出口に設置されたタブレットでは、顔認証をもとに購入結果を確認できるほか、ウェブでも確認が可能だ。現在は、給与からの天引きとなっているが、クレジットカードや各種電子マネーと連携した決済の導入も検討しているという。
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