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Netflix、アニメの本拠地は東京--クリエイター6名と提携し、世界直結の作品提供へ

加納恵 (編集部)2020年02月26日 10時00分
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 Netflixは2月25日、アニメ作品のラインアップ拡充を発表した。日本を代表するクリエイターであるCLAMP、樹林伸氏、太田垣康男氏、乙一氏、冲方丁氏、ヤマザキマリ氏ら6名とパートナーシップを組み、オリジナルアニメの企画、制作を開始する。

CLAMP、樹林伸氏、太田垣康男氏、乙一氏、冲方丁氏、ヤマザキマリ氏ら6名とパートナーシップを結んだ
CLAMP、樹林伸氏、太田垣康男氏、乙一氏、冲方丁氏、ヤマザキマリ氏ら6名とパートナーシップを結んだ

 Netflixは、2017年にアニメのクリエイティブを統括する担当チームを東京に新設。すでに、国内アニメーション制作会社である、プロダクション・アイジー、ボンズ、アニマ、サブリメイション、デイヴィッドプロダクションの5社と包括的業務提携を結び、クリエイティブや制作プロセスの発展に取り組んでいる。

 今回のパートナーシップは、こうした取り組みの一環として実施するもの。Netflix アニメチーフプロデューサーの櫻井大樹氏は「アニメーション制作会社5社との包括的業務提携の次の段階として、今回のパートナーシップを結んだ。改めて説明するまでもないくらい著名な方々」と紹介した。

 現在、190カ国以上でサービスを展開するNetflixだが、作品のローカル化に注力しており、世界100拠点でコンテンツ制作を手掛ける。東京もその拠点の1つで、アニメーションの本拠地。「すべての決断を東京でしている。米国に確認をとる作業などもない。それが大きな特徴」(櫻井氏)と説明する。

2017年以降、日本発のアニメを本格強化している
2017年以降、日本発のアニメを本格強化している
作品のローカル化に注力しており、世界100拠点でコンテンツ制作を手掛ける
作品のローカル化に注力しており、世界100拠点でコンテンツ制作を手掛ける

 今回パートナーシップを結んだクリエイターらともすでに企画を進めているというが、「打ち合わせに参加しているのは3〜4人と通常のアニメ作品に比べてかなり少数。制作費を用意しやすい環境にあることと、船頭が多くないことが、Netflix作品の特徴」(櫻井氏)と話す。

 発表会では、CLAMPの大川七瀬氏と樹林伸氏を迎えたパネルディスカッションを実施。樹林氏が「小説やドラマなどいろいろなオリジナル企画をやってきたが、アニメはきちんとやったことなかった。そういう観点から今回一緒にやってみることに大きな意義を感じた。それ以上に興味があったのは、最初からグローバル発信できるこということ。これは心が躍る。大変楽しみ」とコメント。

 大川氏も「テレビはたくさんの方に見ていただける貴重なメディア。しかし世界同時は配信でしかできないこと。ぜひ参加したいと思った。CLAMPのメンバー4人も全員Netflixに加入しており、声をかけてもらったときは嬉しかった」と続け、グローバル展開が大きな魅力とした。

 動画配信ならではの作品の自由度については「日本のアニメビジネスは、BDやDVDソフトの売上に結びつかないものはつくりづらい。そのため若い才能はお金を集めないといけない状況が続いていた。もちろんNetflixが考える条件はあると思うが、今までとは違うアニメの作り方ができると思う」(大川氏)とし、樹林氏も「スポンサーありきだったり、テレビなりのコードのようなものがつきまとう。僕の目から見たらNetflixは地上波より自由。それをきっかけに業界を変えてほしい気持ちもある」とテレビとの違いを話した。

 樹林氏は約半年前から作品の打ち合わせをはじめており、すでにストーリーを書き始めているとのこと。「とにかくスピードにびっくりしている。打ち合わせでやりたいことをぶつけたら、タイトルもできちゃって、キャラクターも2週間くらいでできてきて、まじかって(笑)。通常では2〜3カ月かけてキャラクターなどができてくるので、普通じゃありえないスピードで進んでいる」とスピード感を評価。

 櫻井氏は「デザイン画のスタジオと提携していて、テキストをベースにイメージをつけてもらっている。複数のデザイナーにキャラクターを描いてもらい、その中から方向性に近いものを選んだり、組み合わせたりしながら、どんどん狭めていくことでイメージが固まってくる」と制作背景を明かした。

 「配信の会社というイメージだったが『ハウス・オブ・カード』あたりから潮目が変わった。これはもしかするとハリウッドの映画システムを食うかもしれない。その後『DEVILMAN crybaby』を見た時に、初めて本当のデビルマンを伝えている作品だと感じた」と樹林氏はNetflixならではの作品性についてコメント。

 大川氏も「今ちょうど変わる節目かなと感じている。アニメを作るには時間もかかるがお金もかかる。映画では製作委員会方式をとることも多く、これはリスクヘッジを含め悪いことではないが、それだといろんな人の意見が入り、監督が自由に作れないケースも出てきてしまう。監督の個性をきちんと伝えるという意味でもNetflixが作る価値がある。そういう作品が増えるのは視聴者としても楽しみ」と動画配信ならではの意義を話した。

 櫻井氏は「日本にはすばらしい漫画家やアニメクリエーターがいっぱいいる。そういう人たちのホームにNetflixはなりたい。今までは米国に作品を売り込むには、現地を訪れ、英語で交渉する必要があった。それは非常に大きなハードルになっていたと思う。日本にアニメの拠点を作ることによって、日本語で即世界に配信できる状況を作れた。日本の良いコンテンツを世界に直結できる組織でありたいと思っている」と、Netflixの位置づけを示した。

樹林伸氏(右)とNetflix アニメチーフプロデューサーの櫻井大樹氏
樹林伸氏(右)とNetflix アニメチーフプロデューサーの櫻井大樹氏

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