Canalysは、2020年第1四半期の中国スマートフォン市場について、新型コロナウイルスの影響次第で前期比40%減から同50%減という大幅縮小の可能性があるとした。その場合、PC市場は同20%減とみている。この予測は、2月末までに感染拡大前の状態へ戻り、市場環境の回復に1カ月かかる、と想定したときの数字だそうだ。
中国では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、操業開始の延期、移動禁止、自宅待機、外出やイベントへの参加自粛といった対応を企業や市民に求めている。Canalysは、こうした状況が中国経済にさまざまな悪影響を及ぼすとみており、主にスマートフォンの4領域で短期的な予測結果を示した。
企業と市民に対する各種制限が、直ち店舗販売へ影響するという。Huawei Technologies(ファーウェイ)、Xiaomi(シャオミ)、OPPO Electronics、Vivoなどはオフライン販売に依存しており、直接的な影響を受ける。また、配送業者も春節(旧正月)の連休以降、完全な体制に戻っておらず、オンライン販売のボトルネックになっている。そのため、2020年第1四半期の販売状況は、過去最悪レベルになる可能性があるとした。
2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行では、感染拡大の収束後、消費は急速に回復したそうだ。しかし、新型コロナウイルスの感染状況は現時点で予測が難しいうえ、SARSの際より感染拡大が速く広まっている。従業員の雇用状況や昇給、可処分所得などに大きな影響を与える可能性があり、今後について控えめな予測をすることになる。
Mobile World Congress(MWC) 2020などのイベントが中止になり、製品の広報活動が十分に実施できなくなるため、ベンダーは製品発売の中止や延期をするという。その結果、2020年の5G対応製品の出荷が鈍る。
スマートフォンやPCの工場は武漢市のある湖北省に集中していないので、今のところ製造停止のリスクはない。ただし、感染拡大が長引くと、従業員不足などの問題が生ずる。さらに、部品調達や輸送が難しくなると、十分な生産ができない状態に陥る。
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