カシオ×アシックス、ランニングフォームを手軽にチェックできるウェアラブル披露

 カシオ計算機とアシックスは、2月12~14日まで東京ビッグサイトで開催された「第6回ウェアラブルEXPO」に出展し、共同開発しているランナー向けサービスコンテンツを初披露した。

 ウェアラブル端末を装着して走るだけでスマートフォンから自身のランフォームをチェックできるというもの。映像の撮影や複雑な機材が不要なため、日常で街を走っている時のトレーニングフォームや大会時のフォームを確認できるのが最大の特徴だ。

GPS・9軸センサを内蔵したモーショントラッカーと専用アプリで構成される
GPS・9軸センサを内蔵したモーショントラッカーと専用アプリで構成される

 具体的には、GPS・9軸センサを内蔵したモーショントラッカーと専用アプリで構成される。腰に装着してランニングすると、ランニング中のすべてのステップを測定し、距離やペース、ピッチ、スライドなど一般的なランニング項目に加えてフォームに関する20以上の指標を取得する。

取得した20以上のデータをわかりやすくするため6つの項目に分け、スコア化。最高点は100となる
取得した20以上のデータをわかりやすくするため6つの項目に分け、スコア化。最高点は100となる

 トレーニング後に端末とアプリを連携すれば、自身の走りを視覚化してチェックでき、さらには改善点やトレーニング方法などの情報も得られる。また、Bluetooth連携できるG-SHOCKにランニングの解析結果を表示・通知する機能も備える。

赤が意識したいフォーム、右がユーザーのラン。データをもとに視覚化してくれる
赤が意識したいフォーム、右がユーザーのラン。データをもとに視覚化してくれる

 取得した20以上のデータをわかりやすくするため、「巧みな動き」「動きの力強さ」「スムーズな重心移動」「左右対称性」「安定した姿勢」「負担の少ない着地」の6つの項目に分け、スコア化。「理想のフォームは一つではない」(アシックス)とするが、できるだけケガのリスクが少なく、男性や女性にも共通する項目としての理想のフォームをもとに数値化した。最高点は100となる。

クリップタイプで、カラダの中心となる腰に装着する
クリップタイプで、カラダの中心となる腰に装着する

 2020年内に、ウエアラブルデバイスの一般発売、およびサービスを開始する予定だ。価格は未定で、今回の出展の中でサブスクリプションなどのサービスとして組み合わせるか端末単体で発売するかなどの方向を探るという。

ブースで行われたデモの様子
ブースで行われたデモの様子

 モーショントラッカーのサイズは、幅40mm×高さ62mm×厚さ18mm(クリップ部を除く本体の厚さは10mm)。Bluetooth 5.0に対応し、防水(IPX7相当)対応。9軸センサ(加速度、ジャイロ、磁気)、気圧、GPS、GLONASS、みちびきを搭載する。リチウムイオン電池を内蔵し、連続使用時間は約15時間(常温25度で使用時)なのでフルマラソンにも十分使える。重量は約40g。

腰に装着している黄色い端末がモーショントラッカーだ。重さは40g、事前の調査でもほとんどの人が走っていると気にならない重さと答えたという
腰に装着している黄色い端末がモーショントラッカーだ。重さは40g、事前の調査でもほとんどの人が走っていると気にならない重さと答えたという

 2019年5月、カシオとして初となる中期経営計画を策定し、スポーツのデジタル化を目指して、アシックスとの業務提携を結んだことを発表した。カシオが培ってきたセンシング技術・運動解析技術・ハードウエア開発技術と、アシックスが得意とするスポーツ工学の知見やノウハウ・ランナーのビッグデータを融合させ、ランナー向けの新しいサービスの提供を目指す。その第一弾が、今回出展したランナー向けサービスコンテンツだ。

 ランニングフォームの分析に基づく一人ひとりに合ったコーチングや、からだづくりプログラムの提案など、新たなランニング体験を提供したいとしている。

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