マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューターサイエンス研究者らが米国時間2月13日に公表した論文によると、モバイル投票アプリ「Voatz」に重大な脆弱性があるという。Voatzの設計上の脆弱性により、高度なスキルを持つハッカーなら、投票者のIDやIPアドレスを把握し、票にアクセスしたり、場合によっては票を変更したりできるという。
この研究について13日にいち早く報じたThe New York Timesによると、主に軍人や米国外にいる有権者に利用されているVoatzは、市場にある唯一の投票アプリだ。MITの論文で指摘された脆弱性は、投票者のスマートフォンにインストールされるアプリに存在した。
「国家の支援を受けたハッカーであれば、十分に脆弱性を突ける」とMichael A. Specter氏、James Koppel氏、Daniel Weitzner氏ら研究者は、論文で述べた。Voatzはこの研究結果に異議を唱えた。
Voatzは非常に長い回答の中で、研究者の情報は不完全だと述べた。研究者は投票に使われたことのない旧バージョンのアプリを利用しており、投票プロセスへの不正侵入を防ぐバックエンドの保護を確認できなかったという。公開されているバグ報奨金プログラムを通じて最新版を検証していれば、今回のような論文を作成することはなかったはずだと指摘した。
「要するに、証拠もバックエンドサーバーへの接続もないまま同サーバーについて主張したところで、その研究者らの信頼性は全くない」とVoatzは述べた。同社は、選挙のセキュリティに対する疑念や不安をかき立てようとしているとして、研究者を批判した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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