シェアメディカルは2月12日、聴診器デジタル化ユニット「ネクステート」をコアとし、聴診音だけでなく、映像も加えた次世代遠隔診療システムを開発。遠隔診療システムへと参入すると発表した。
ネクステートは、2019年5月に同社が発表した「ハミングバード」の製品版。2019年12月に販売を開始し、すでに70施設以上で導入されているという。
次世代遠隔診療システムの開発は、インターネット動画配信プラットフォームサービスを提供するエヌ・ティ・ティ・スマートコネクトと共同で実施している。ネクステートをコアとしており、従来の遠隔診療では行えなかった遠隔地からの聴診を、ハイレゾ音源相当で伝送できるという。
また、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクトが持つ国内の堅牢なNTT自社データセンターに配置したシステム、複数IXや大手ISPとダイレクトに接続する高速かつ大容量バックボーンおよび、高品質なコンテンツ配信技術を組み合わせている。
同社によると、医療過疎地域や離島医療など、医療アクセス困難地域と都市部の病院とを結ぶ「D to P with N」型に基づく拠点間での運用に加え、かかりつけ医だけでは判断が難しい場合など、どんな診療所でも専門医のサポートが受けられる「D to P with D」型を想定しているという。
また、2020年に開始される5Gネットワークを利用し、より高音質・高画質かつ、低遅延での伝送も計画する。
同社では、呼吸器、循環器、消化器など映像だけでは診断が難しい診療科において、「対面診療に近い情報量を遠隔地の医師に届け、適切な診断のもと看護師に指示を出す」あるいは、「専門医からかかりつけ医に所見を返すプロセスの実用化」といった運用方法を想定する。
第一弾として、愛知県豊田市で豊田加茂医師会などの協力を得て実施しているオンライン診療の実証実験(いしぐろ在宅診療所が協力)において、遠隔聴診を加え、2月・3月で実施予定する。訪問・在宅診療において、有効的な活用法ならびに、高齢者の罹患が多い呼吸器疾患の早期発見を目指す。
さらには、医師不足を課題とする地方都市における取り組みへの参画を協議している。
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