ラスベガス市職員のSherwood氏によると、同市のスマート交差点、車両インフラ、5Gへの投資の多くの要素を組み合わせて利用しているのが、新しい自動運転車プログラム「GoMed」だという。計画では、自動運転車がこのテクノロジーを利用して、医療施設間で患者を輸送することになっている。自分自身や子供が病院に行く必要があるにもかかわらず、自動車を利用できない人を助けることが狙いだ。
「若い一人親で、交通手段がないというような場合に、こうした車両を利用して、地域内の必要な医師のところまで行くことができる」(同氏)
もちろん、すぐに実現するわけではない。Sherwood氏によると、サービスの提供開始にはまだ1年かそこらかかるはずだという。
5Gによって、自動運転車ができることは大幅に増える、とVerizonの公共部門グループで同社のスマートシティテクノロジー分野を統括するMaggie Hallbach氏は米CNETに語った。そして、それは主にエッジコンピューティングのおかげだ。エッジコンピューティングでは、データを、収集される場所の近くで処理するため、遅延時間が短縮される。
「現在、自動運転車は、基本的に環境内にあるさまざまな手がかりを検知して情報を処理しているが、将来的には、5Gがユビキタスになり、情報や指示が直接車両に伝わることになるだろう」(Hallbach氏)
Hallbach氏によると、Verizonはラスベガスを含む多くのスマートシティ、さらにはスマートな大学キャンパス、商業地区、会場、空港、テーマパークと「積極的に提携」しているという。
ラスベガスのプロジェクトの主な目標の1つは、快適性を高め、経済的に暮らしやすい、そしてビジネスも営みやすい場所にして、より多くの人や企業を集めることだ。将来、シリコンバレーの代わりに「シリコンウェスト」が登場し、ラスベガスがその中心地の1つになる、とSherwood氏は予想する。
同氏によると、すでにその兆候はあるという。スタートアップがカリフォルニア州を離れて、イノベーション地区で事業を始めるようになっている。イノベーション地区は、企業が離れた空間で理論上の製品を開発する代わりに、同じ市内で実地試験を行える手段を提供する。
日本のテクノロジー大手が米国の砂漠地帯にとどまることに決めたのはそのためだと、NTTデータのスマートプラットフォーム担当バイスプレジデント、Bill Baver氏は語った。ラスベガスのスマートシティプログラムは、NTTグループが日本国外で取り組んだ最初の大規模な研究開発プロジェクトだ。ラスベガスの「イノベーションへの開放性」がそのすべての理由だった。
「同市のイノベーションゾーンとイノベーション地区のおかげで、われわれは協力して、これがどのように都市に役立つのか、どのように市民に役立つのか、ここの社会全体にどのように役立つのか、といったことを話し合うことができる」(Baver氏)
筆者がInnovation Centerを訪れた日だけでも、トルコとフランス、台湾の代表団が同センターを訪問していた。Sherwood氏によると、1年を通して、世界中の都市や企業から人々が訪れるという。これよりもはるかに大規模なもう1つのイノベーションセンターが、まもなくベガスに開設される予定だ。この新しいセンターは、自動運転車とドローン技術に注力する。
「2025年には、ラスベガスは米国内だけでなく、世界中の誰もが住みたい都市の1つになるだろう」(Sherwood氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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