神戸発のIoTベンチャーであるMomoは12月25日に、手軽に使えるオープンプラットフォーム型の農業IoTシステム「AgriPalette(アグリパレット)」の予約販売をMakuakeで開始した。デバイスは早割りで2万4800円から支援できるが、開始からわずか1日で、目標販売金額の200万円を超える260万円(12月26日16時時点)を達成した。2020年2月末まで支援を受け付ける。
Agri Paletteは、各種センサーによって取得した農作物に必要な土壌や空気、日照量といったデータを、1つのデバイス(ゲートウェイ受信機)を通じてウェブのデータベースに記録し、アプリで可視化するIoTセンサーシステムだ。これまで同社が農業法人にBtoBで納品してきたハードウェアとデータハブのプラットフォームをサードパーティ向けに開放するもので、1つのデバイスを購入することでスマート農業に必要な複数のサービスを自社で開発・展開できる。
ターゲットはスマート農業に関心のある農家や農業法人、農業領域に参入する事業会社やシステム開発企業などを想定しているという。JA(農業協同組合)グループのオープンイノベーション推進組織「AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)」や、KDDIムゲンラボの支援のもと、仕様の作り込みをすることで極限までハードウェア構成を削ぎ落とし、従来の無線型IoTセンサーの半額以下の販売価格を実現したという。
センサーの種類は、「CO2センサー」「日照量センサー」「温度湿度センサー」「土壌一体型(EC・水分量・温度)センサー」「土壌Phセンサー」の5つ。これらのセンサーから、スマート農業の基礎となる8項目のデータが収集できるとしている。
センサーは組み合わせや追加も自由にできる。最低限必要なミニマムなセットにした場合、土壌センサーは初期費用6万円、温湿度センサーは初期費用5万5000円で、月額利用料はぞれぞれ1アカウントにつき980円となっている。
ワイヤレスのため特別な電源工事などは不要で、直接通信で600m、中継機を足せばさらに600mの距離にあるセンサーのデータを収集できる。そこからクラウドを経由し、自宅や事務所にいながらスマホやタブレットで農地の状態を把握できるという。
Momo代表取締役の大津真人氏は「IoTの知識は不要で価格も気軽に購入していただけるスマホのようなサービスを目指している。小規模の農家や開発エンジニアなど幅広い人たちにスマート農業を体験するきっかけにしてほしい」と語る。
同社では、Agri Paletteを通じてビジネスを展開するパートナー企業の募集も開始している。すでにSI(システムインテグレーション)企業としては、ソーバル(品川区)、IoTBase(豊島区)、神戸デジタルラボ(神戸市)が参加を表明しており、2020年度末までに50社の参加を目標にしている。
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