AWS re:Invent

AWSが量子コンピューティングサービス「Amazon Braket」発表--研究センターやラボも

Asha Barbaschow (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎2019年12月03日 13時27分

 Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月2日、ラスベガスで開催中のイベント「AWS re:Invent」で、量子コンピューティングに関する3つの新たな取り組みを発表した

 1つ目は「Amazon Braket」だ。

 Amazon Braketは、科学者や研究者、開発者などを主なターゲットとしたAWSのフルマネージドサービスで、D-Wave、IonQ、Rigettiなどの量子コンピューティング企業が提供するハードウェアを試してみることができるというものだ。

 Amazon Braketを利用すれば、量子コンピューティングのハードウェアで探求、評価したりして、将来に向けて経験を積むことができるという。利用者は、単一の環境で、量子アルゴリズムを構築し、シミュレートされた量子コンピューターでテストを行い、さまざまな量子ハードウェアアーキテクチャーで試すことができる。

 Amazon Braketは現在プレビュー版で利用可能になっている。

 さらにAWSは、Amazon、カリフォルニア工科大学(Caltech)、その他の学術研究機関の量子コンピューティングの専門家を集めた新たな量子コンピューティングセンターの研究開発センター「AWS Center for Quantum Computing」を開設する。カリフォルニア工科大学のキャンパスに隣接した場所に設置される。

 同社はこの研究開発センターによって、量子コンピューティング技術で現実社会の問題を解決することを目指すとしている。

 また、Amazonや同社の技術やコンサルティングパートナーと顧客を結びつけるプログラムである「Amazon Quantum Solutions Lab」も発表された。

 このラボの目的は、顧客が必要なスキルを習得したり、量子コンピューティングが適切なソリューションとなる実用的な用途を特定したり、アルゴリズムの設計や新しいアプリケーションの発見を行う方法を学んだりするための機会を提供することだ。量子アプリケーションの開発を加速させる狙いもある。

 同ラボでは、実践的な教育ワークショップとブレーンストーミングセッションを組み合わせることで、顧客がビジネス上の課題に逆算して取り組み、その後、量子コンピューターを効果的に利用するプロセスで段階的に進められるように支援するという。

 AWSのUtility Computing Services担当シニアバイスプレジデントCharlie Bell氏は、「量子エンジニアリングが一層有意義に進化し始めている中、顧客は量子コンピューティングを試し、このテクノロジーの可能性を模索する手段を求めるようになっている」と述べた。

 「量子コンピューティングはクラウドファーストのテクノロジーとなり、またクラウドは顧客がハードウェアにアクセスする主要な手段になるとわれわれは考えている。われわれは、Amazon BraketサービスとAmazon Quantum Solutions Labによって、顧客がより容易に量子コンピューターを利用する経験を積むとともに、AWSや当社のパートナーのエキスパートと協働し、このテクノロジーからどのようにメリットが得られるかということを見出せるようにしようとしている。また、AWS Center for Quantum Computing、学術機関とのパートナーシップによって、われわれは科学や産業のコミュニティーを横断する取り組みに参加し、量子コンピューティングの可能性を加速させるよう促す」(Bell氏)

 (Asha Barbaschow記者は、AWSの招待を受けre:Inventに参加している)。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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