Uberの最高経営責任者(CEO)であるDara Khosrowshahi氏は、The Washington Postに寄稿していたJamal Khashoggi記者の殺害について「重大なミス」と発言したが、後からそれを取り消そうとしているようだ。この発言は、米国時間11月10日に配信された「Axios on HBO」のインタビューで、Khosrowshahi氏がサウジアラビアによるUberへの投資を擁護する中で出たものだ。同氏は、サウジアラビア政府によるKhashoggi氏の殺害はミスだったと述べ、Uberの自動運転車が関与した死亡事故がミスによって起こったのと同じようなことだと述べた。
「人間はミスを犯すものだ。だからといって、ミスを犯した人が決して許されないというわけではない。彼らはこれを深刻に受け止めていると思う」(Khosrowshahi氏)
サウジアラビアはUberにとって5番目の大株主だ。また、同社の取締役の1人であるYasir Al Rumayyan氏は、サウジアラビアのPublic Investment Fundのマネージングディレクターでもある。
Axiosによれば、このインタビューから1時間後にKhosrowshahi氏から電話があり、Khashoggi氏に関する言葉の選択について後悔の念を伝えられたという。また、その翌日には、この件に関して釈明する電子メールがAxiosに送られてきた。
Khosrowshahi氏はAxiosに宛てた電子メールで、「あのときは、心にもないことを言ってしまった。Jamal Khashoggi氏に関して言えば、同氏の殺害は非難されるべきことであり、忘れたり弁解したりすべきことではない」と述べている。
Khosrowshahi氏は11日、自身のツイートでも同じ釈明を繰り返した。
There's no forgiving or forgetting what happened to Jamal Khashoggi & I was wrong to call it a “mistake.” As I told @danprimack after our interview, I said something in the moment I don't believe. Our investors have long known my views here & I'm sorry I wasn’t as clear on Axios https://t.co/RxapzktrXq
— dara khosrowshahi (@dkhos) 2019年11月11日
2018年、Khosrowshahi氏はサウジアラビアの大規模な投資カンファレンスを欠席し、それが正しい行動であり、Khashoggi氏の殺害について事実がさらに明らかになるのを待ちたいとしていた。同氏は2019年もこのカンファレンスを欠席。Axiosとのインタビューでは、同時期に取締役会が開催されたからだと説明した。
サウジアラビアの著名な反体制派だったKhashoggi氏は、2018年10月にトルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殺害された。15人の暗殺部隊によって首を絞められ、切断されたと伝えられている。
Axiosがインタビューを公開してから、Twitterでは#DeleteUber(Uberを削除せよ)や#BoycottUber(Uberをボイコットせよ)というハッシュタグが出回り始めた。Washington PostにおけるKhashoggi氏の担当編集者の1人だったKaren Attiah氏は、同CEOのコメントを受けてUberのアプリを削除したことを明らかにした。
「Uberの大株主の1つが誰かを殺しても、大した問題にはならない。殺人を犯した政権の代表者はそれでも取締役の座に居続けられる。大金持ちなら犯罪も『ミス』になる。#BoycottUber」(Attiah氏)
While the use of the word "mistake" is absurd, we need to keep our eye on the ball.
— Karen Attiah (@KarenAttiah) 2019年11月11日
The real focus should be @Uber deciding to keep Saudi Arabia on board after the murder of #JamalKhashoggi.
Does @dkhos believe that Saudi Arabia's money is more important than a life?
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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