私たちの日常生活を変えたテクノロジー10選--2010年代を振り返って - (page 2)

Jason Hiner (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年12月28日 07時30分

5. 「数量化された個人」はテクノロジーでテクノロジーに対抗する

提供:Fitbit
提供:Fitbit

 デジタル時代における深刻な問題は、多くの時間じっと座って画面を見て過ごすことによる、健康への悪影響だ。そのような姿勢でいることのリスクが以前よりも知られるようになり、健康の3つの柱である運動・食事・睡眠を監視および管理するための、テクノロジーによる解決策が求められるようになった。

 その例として、Apple WatchやFitbitがある。「MyFitnessPal」や「Lose It」などの食生活トラッカーやカロリーカウンターもある。睡眠を追跡する「SleepWatch」アプリや、高機能ベッド「SleepNumber」も。他にも多くのデバイスやアプリ、サービスがあり、運動量を増やして適切な食事と睡眠を取れるようにすることで、健康状態を改善するのに役立っている。もちろん、テクノロジー過多による悪影響に対処するのに、どのテクノロジーが解となるかはまだ分からない。

4. “コードカッティング”がテレビを変えた

提供:CNET
提供:CNET

 ケーブルテレビの解約(いわゆる“コードカッティング”)について考えた時、まず思い浮かぶのはお金の節約だ。見ることのない余計なチャンネルのために追加料金を払わねばならない、ケーブルテレビの契約料100ドルを削減することだ。それが最初のきっかけとなることが多いものの、動画を新しい方法で見たい人々もコードカッティングを推し進めている。

 ブロードバンドが高速化し、デバイスの画面が高性能になるにつれて、より多くの人が動画をスマートフォンやタブレットで視聴するようになった。テレビはスマートになり、「Roku」「Fire TV」「Apple TV」などのストリーミングボックスによってプログラムへのアクセスや見たい番組の選択が容易になり、時代遅れのケーブルテレビ用ボックスは要らなくなった。Netflix、Hulu、YouTube、HBOなどがストリーミングアプリを提供し、豊富なコンテンツが簡単に視聴できるようになった。チャンネルを次々と変えながら番組を探したり、番組をDVRに録画したりする古いモデルは、以前ほど魅力的ではなくなった。

3. クラウド、データ、人工知能(AI)

提供:Screenshot by Stephen Shankland/CNET
提供:Screenshot by Stephen Shankland/CNET

 このリストにある全ての技術を支える1つのトレンドがある。それは、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、AIという新しい裏方のテクノロジーの爆発的な普及だ。この3つは私たちのデバイスに素晴らしい新機能をもたらした。例えば、デジタルアシスタントや暗い場所での写真撮影、スマートフォンの故障や紛失の際でも写真にアクセスできるバックアップ機能などだ。

 これらの技術は、Dropbox、Appleの「iCloud」、Microsoftの「OneDrive」、Amazonの「Alexa」、「Googleアシスタント」などのように消費者の目にも触れている。しかし、電気料金が安くて自然災害の少ない辺境の静かなデータセンターでせっせと稼働していることの方が多いのだ。

 過去数十年のこうした大規模な進歩がなければ、私たちが手にするデバイスははるかに頭が悪く、面白くないものになっていただろう。また、Microsoftがデバイス分野での勢いをAppleにそがれてからクラウド企業へと転換し、最終的には企業価値でトップの座を取り戻したことも注目に値する。

2. 「iPad」、「Chromebook」、そして新しいPCの時代

提供:Justin Sullivan, Getty Images
提供:Justin Sullivan, Getty Images

 Appleはタブレット型コンピューターに取り組んでいることを10年近く否定し続けていたが、Steve Jobs氏は2010年1月、ステージに上がってiPadを発表した。同氏はiPadについて、「これまでにないほど親密で直感的で楽しい方法でアプリやコンテンツによってユーザー同士をつなぐ、デバイスの全く新しいカテゴリー」を定義するものだと胸を張った。当時、米CNET(および他の多くのメディア)は、iPadをコンピューターとして捉えるべきなのかと質問した。これに結論を出したのは消費者だ。iPadやGoogleのChromebookなどのデバイスは、子供や学生、保護者、高齢者、そして他の多くの人々がメインコンピューターとして選ぶのに十分であることが分かったのだ。

 そして世界の一部の地域では、多くの人にとってスマートフォンが最初かつ唯一のコンピューターとなった。職場ユーザーやパワーユーザーの多くは従来型のキーボード中心のコンピューターにこだわったが、そうしたマシンでさえ、多くがスマートフォンやタブレットのアプリやタッチスクリーンによって変わっていった。2010年代が終わりに近づくにつれて、私たちのコンピューターは年々モバイル機器の特徴を取り込んでいる。

1. 4G LTEは世界をポケットに収めた

提供:Kent German/CNET
提供:Kent German/CNET

 2011年3月、私の勤務先で「HTC Thunderbolt」が会社支給のスマートフォンになった。これは私にとって、スマートフォンの世代交代として最も大きなものだった。Thunderboltのハードウェアはそこそこだったが、米国で広く提供される最初の4G対応スマートフォンというステータスが、この製品を特別なものにしていた。

 Thunderboltがウェブページをロードし、動画を再生し、ポッドキャストをダウンロードし、メッセージに写真を添付する様子は、衝撃的なほど速かった。スマートフォンは常にうまく動作するものだと感じられた。それからまもなく、多くの新機能が利用できるようになった。例えばモバイルストリーミング、ホットスポットのテザリング、リアルタイムアプリ(Uberなど)だ。どれも3Gではごく限定的な体験しか実現できなかった。

 私たちがThunderboltで初めて味わった4Gの体験は、スマートフォンが10年にわたり私たちの日常生活の中心となるきっかけとなった。そして、5Gによる進化が今後の10年間をいかに形作るかについて多大な注目が集まっている理由でもある。5Gへの期待は過剰に膨らんでおり、現時点の5Gネットワークはまだ揺籃期にあるが、考えてみてほしい。4Gは速度とレイテンシの面で3Gの5倍向上していたが、5Gは標準の4Gと比べて10〜100倍向上している。次の10年は素晴らしいものになりそうだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]