六本木通り特許事務所は11月5日、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達前のスタートアップ向け商標出願プラン「エンジェルラウンド」の提供を開始したと発表した。
同事務所では、これまで幅広い分野でスタートアップの商標・特許を支援してきた。スタートアップから相談を受けるタイミングはさまざまだが、その中には相談された時点ですでに、プロダクト名が他社の先行商標と衝突している場合があるという。
こうした場合、ブランド変更コストと交渉コストのバランスを見極め、サービス名を変更するか、権利者との交渉になる。しかし、ブランド変更コストは多くの場合数十万円といった金額で収まるものではなく、交渉コストも100万円を超えることが珍しくないと説明する。
プロダクト・マーケット・フィット(PMF)後のプロダクト名の露出増加にともない、問題が悪化することもある。同事務所では、悪意のある第三者に横取りされる形で商標出願をされるケースや、出願が遅れたことで他社により類似商標を出願されてしまうケースなど、いくつかのパターンが挙げているものの、いずれもPMF確立までのプロセスに、プロダクト名のネーミングに関する法的保護の視点を早期に取り入れることで防ぐことができたと指摘する。
こうした状況を改善するべく、ベンチャーキャピタルから資金調達前の、リソースが限られたスタートアップを対象として、資金調達後の事業に整合した商標出願をするエンジェルラウンドの提供を開始したという。
商標出願においては、手数料が区分数に応じて増額されることが一般的だが、創業間もないスタートアップが費用を気にして本来取得すべき範囲が漏れることのないよう、手数料を定額に設定していることが特徴。オン/オフラインでの打ち合わせから3日以内を納期目安としており、早期の商標出願を通してスタートアップの事業成長をサポートするとともに、知的財産保護の啓蒙に努めていくとしている。
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