データ復元サービスの業界リーダーとして知られるドライブセイバーズは、台風19号(ハギビス)の被災地域居住者や企業、自営業者らを対象に、被害を受けたデジタルデバイスから「データを復元する」サービスを無償で提供している。
対象となるデバイスは、PC(デスクトップ、ノート)や外付けハードディスクで、日本ではユーザーが多いiPhone、iPadも含まれる。依頼は神戸市にあるドライブセイバーズの日本オフィスで受け付けており、日本語サイトの問い合わせフォームかメール、もしくは日本国内無料ダイヤルから依頼できる。
データの復元作業は通常のサービスと同じく、依頼を元にアドバイザーが復元方法や所要時間などを説明し、正式に依頼する場合は宅配業者が引き取るか着払いで神戸のサービスセンターへ被害を受けたデバイスを送る。専門の技術者が復元作したデータを別のデバイスに移し、依頼者の元に送り届ける。所要時間はおよそ2週間で、破損したデバイスの修理ではなくあくまで「データの復元」なので、その点だけは留意しておきたい。
無償サービスを受けられるのは各個人・企業につき1デバイスで、追加もしくは対象以外のデバイスを復元したい場合は通常料金の50%オフで受け付ける。通常料金で最大1億円分を支援金額の上限としており、1000台分ぐらいが対象になると想定している。なお、時間が経つと回路が腐食するなどデータ復元が難しくなるため、2019年11月15日までに依頼してほしいとのことだ。
ドライブセイバーズはデータ復元で30年以上の実績があり、過去には東日本大震災や2017年7月の九州北部豪雨でもデータ復元支援をしている。だが、最近まで日本語のサイトや対応窓口がなく、データ復元サービスそのものが国内で認知されていなかったこともあり、十分な支援ができなかった。そこで長らく日本でITビジネスを手掛けてきたネイソン・ブライアン氏を代表に迎え、2019年1月から神戸にサービスセンターが開設された。
ブライアン氏は、1995年の阪神淡路大震災ではインターネットを利用した情報ボランティア活動も行っており、今回もいち早く支援活動を立ち上げた。「ドライブセイバーズは経験豊富な技術者が揃っているので、過去には泥まみれになったり、破損して折れ曲がったデバイスでもデータを取り出せたケースがある」と説明。医療関係や会計業務など個人情報に関するデータが記録されたデバイスの取り扱いにも慣れているので、安心して預けてほしいとも話す。
「デバイスが水没したら動くか確かめようとして電源を入れると、ショートした回路が燃えてハードディスクを傷つける場合もある。一番やってはいけないのは、ドライヤーで乾かしたり、お米を乾燥剤代わりにして放置すること。とにかくできるだけ早く被災した状態で送ってくれた方が復元の可能性は高い。家族や仕事の大事なデータだけでも復元できるようお手伝いするので、諦めずに連絡してほしい」(ブライアン氏)。
ドライブセイバーズでは水害以外に、火災や落下、事故による破損を受けたデバイスのデータも復元している。また、通常のサービスでは今回の支援対象となっているデバイス以外に、各種メモリカードやMOなども受け付けている。データ復元の方法や料金などの詳細はドライブセイバーズの日本語サイトで確認できる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」