ソフトバンクグループ(SBG)は10月23日、世界中でコワーキングスペースを展開し、経営難に陥っているWeWorkに対して、大規模な資金支援を実施することを発表した。
SBGから約50億ドル(約5426億円)を新規に出資するほか、WeWorkの既存株主から最大30億ドル(約3255億円)の株式公開買付け(TOB)を実施する。さらに、SBGがもともと予定していた15億ドル(約1627億円)の出資も早期に実行するとしている。合計で95億ドル(約1兆308億円)規模となるという。
これにより、SBGのWeWorkの株式保有比率は最大80%になる予定。しかし、同社ではWeWorkのいずれの株主総会および取締役会においても議決権の過半数を保有せず同社を支配しないことから、WeWorkはSBGの子会社とはならず、関連会社となる予定だと説明する。
ソフトバンクグループの代表取締役会長 兼 社長である孫正義氏は、「ソフトバンクグループは、世界中で人々の働き方に変革が起こっていると確信している。WeWorkはこの変革の最前線にいる。WeWorkが直面したように、世界をリードするテクノロジーの革新者が成長の過程で困難を経験することは珍しいことではない。同社に対するわれわれの確信は変わらず、大規模な資本注入とオペレーションのサポートを提供することにより、WeWorkへのコミットを強化することにした。WeWork、同社の従業員、メンバー、ビルオーナーに引き続きコミットしていく」とコメントしている。
なお、今回の金融支援によって、SBGのCOOであるマルセロ・クラウレ氏がWeWorkの取締役会のエグゼクティブチェアマンに就任する予定。WeWorkの創業者であるアダム・ニューマン氏は、同社取締役会のオブザーバーに就任するという。取締役会は構成員が増えるとともに、原則としてニューマン氏が保有する議決権は取締役会に委ねられるとしている。
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