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ビズリーチ主催のハッカソンに海外学生エンジニアが集結--優勝賞金1万ドルは誰の手に?

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 ビズリーチは9月26~29日、東京・渋谷で、世界中の学生エンジニアを集めた「BizReach World Hackathon(以降、ワールドハッカソン)」を開催した。13カ国から来日した37人の参加者の渡航費・宿泊費は同社が全額負担。9つのチームに分かれ、4日間の日程で優勝賞金1万ドル(米ドル/約110万円)を懸けて技術力を競った。

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テーマは「エンジニアの能力の可視化」

 今回のワールドハッカソンは、ビズリーチ初の試みとなる。開催に先立ち、国籍、居住国、学位、学部、学年不問で世界中の大学生に募集をかけ、3528人の学生から応募があった中から、コーディングテストを勝ち抜いた37人が東京に集結した。参加したのは、スタンフォード、ケンブリッジ、IIT、北京大学などの海外トップ大学の学生エンジニアだ。

 イベント全体の日程は4日間。初日はオープニングパーティーが開かれ、ここで意気投合した参加者同士がチームを組む。計9チームが出来上がった。ハッカソンの本番は2日目と3日目。発表されたテーマに沿って各チームがハッキングに取りかかった。

 参加者に与えられたテーマは「GitHubのリポジトリデータ(Javaベース)を活用し、エンジニアの能力を可視化するためのサービス開発。そのアルゴリズムを考え、プロトタイプを制作すること」。2日間の間で、プロトタイプの製作とプレゼンテーションの準備までを行わなければならない。

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 会場となったビズリーチ社内の会議室では、各チームが軽食をとったりコーヒーを飲んだりしてリラックスした雰囲気の中で、ホワイトボードにアイデアを書き出して議論を深め、それぞれのプロダクトの内容を決めていった。ビズリーチに在籍するエンジニアがメンターとして参加者のフォローに回り、参加者が相談する様子も見られた。

 3日目は、最も集中できる1日。各チームとも、夕方の一次課題提出の締め切りに向けて黙々とコーディングとテストに勤しんだ。一次課題提出後は、VPoEのステファン・マイヤー氏を含むビズリーチの外国籍エンジニアを中心に10名が総出で、10時間をかけて全チームのコードをレビューし、アルゴリズムを一次審査。全ての9チームが最終プレゼンテーションに進んだ。

難航する審査の後の結果発表。1万ドルを勝ち取ったのは…

 4日目は会場をセルリアンタワー東急ホテルに移し、各チームがプレゼンを行う。ビズリーチの社内とは異なる緊張感あふれる場で、各チームとも発表直前まで議論しながら準備した。各チームに与えられたプレゼンテーションの時間は5分。その中で、プロトタイプを大画面に映し、実際に動かしながらプロダクトを説明していった。

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 最終審査の後、いよいよ結果発表。優勝は、ケンブリッジ大学とインド工科大学の混成チームに決まった。ケンブリッジ大に在籍するスウェーデン人1名と日本人2名、インド工科大学デリー校に籍を置くインド人1名からなる4人のチームが優勝し、賞金1万ドルを獲得した。

Munetomo Takahashiさん(ケンブリッジ大学)、Noah Carl Jens Ohrnerさん(ケンブリッジ大学)、Taketomo Isazawaさん(ケンブリッジ大学)、Aditya Bansalさん(インド工科大学)
Munetomo Takahashiさん(ケンブリッジ大学)、Noah Carl Jens Ohrnerさん(ケンブリッジ大学)、Taketomo Isazawaさん(ケンブリッジ大学)、Aditya Bansalさん(インド工科大学)

 優勝チームは、エンジニアの生産性を測る指標として3つの「インパクト」を定義した。1つは「ポテンシャル・インパクト」で、機械学習によりJavaエンジニアとしての専門性の高さを解析し、将来のポテンシャルを定量化した。2つめの指標は「ワールド・インパクト」。Git上で完了したプルリクエスト数から貢献度を可視化した。3つめは、1人のエンジニアがチームに加わったことでコードのコミット数がどれだけ増えたかなど、そのエンジニアの生産性を「チーム・インパクト」として表現した。

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 今回審査委員長も務めたVPoEのマイヤー氏は、「審査は非常に難航した。優勝チームは、エンジニアの能力を測るユニークな指標を考案したこと、機械学習を利用した高い技術力を開発に生かしたこと、その指標をグラフィカルに表現したデザイン性を高く評価した」と講評を述べた。

 優勝チームの1人、Aditya Bansalさん(インド工科大学2年)は、授賞式の後のインタビューで、「地元でのハッカソンに何度か参加したことはあるが、国際的なものは今回が初めて。2日間で新しいものを創り出しながら、日本の文化、そして自分自身を知ることができた。何より、素晴らしい3人の友人もでき、非常に良い機会だった」と語った。

 2位・3位を受賞したチームの発表内容も紹介しておこう。2位(賞金3000ドル)を受賞したのは、ブカレスト工科大学に通うルーマニア人1人、北京大学に籍を置く2人による3人のチーム。

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 GitHubのリポジトリのコントリビュータの関係性や、コードのデザインパターンを解析し、探したいエンジニアを探し出せるサービスを開発した。IBMのトーンアナリシスのAPIを使うなど、技術的な複雑さや、付加された機能・UIの多彩さも評価の対象となった。

 3位(賞金1000ドル)は、テキサス大学、カリフォルニア州立大学、香港大学、ワルシャワ工科大学、ヤギェウォ大学からなる5人のチームが受賞。ターゲットユーザーを企業のリクルーターと定め、ライブラリの多様性やコードの品質、コミュニティでの活動の活発度など5つの指標で優秀なJavaエンジニアを可視化。2人のエンジニアを視覚的に比較しやすくする機能を実装した。

 
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日本のIT業界を世界へブランディング

 ビズリーチでは2018年に「グローバル採用チーム」を発足し、海外の学生、とりわけITエンジニアの採用に力を入れている。背景には国内の深刻なIT人材不足があり、エンジニア採用の視野をグローバルへと広げた形だ。

 これまでの具体的な取り組みとして、米国、中国、インド、シンガポール、香港、台湾、ベトナムなど世界8つの国と地域で採用活動を行い、2018年8月から、入社見込みも含め20名以上の外国籍エンジニアを採用している。また、2020年4月以降に新卒入社するエンジニアに「グローバル基準採用」を適用することを発表しており、一律の初任給廃止、年収下限600万円〜上限なしの能力に応じた給与体系へと大きくシフトする。

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 VPoEのマイヤー氏は、今回のワールドハッカソンの開催の目的について、「採用は今回の直接的な目的ではない。世界のトップエンジニアを日本に招くことで、ビズリーチだけでなく、日本や東京のIT産業や企業に関心をもってもらうこと、そして日本で働くことを選択肢の一つとして考えてもらうこと」だと話す。

 ハッカソンに参加したエンジニアの多くは、初めての来日となる。参加理由は概ね、「世界のいろいろな国・地域からくるエンジニアたちと一緒に課題に取り組んでみたかった」というものと「日本へ一度行ってみたかった」という理由だ。

 優勝チームの1人、ケンブリッジ大学のNoah Carl Jens Ohrnerさんは、「今回はハッカソンがメインの目的だったが、合間にビズリーチの日本人社員の方と食事に行ったり街を歩いたりして、日本の人々、日本の文化とふれ合うことができ、非常によい経験だった」と話した。

 また、2位のチームの1人、北京大学のHe Taoさんは、今回応募した理由を「日本の文化やアニメが好き。ハッカソンで技術力・コミュニケーションスキルを伸ばすのと同時に日本文化にもっと触れてみたかった」と話す。同チームのRui Miaoさん(北京大学)も、「地理的に近いこともあるし、知人が日本で仕事をしているので、働く場所として日本も自然と視野に入っている」と話した。

 マイヤー氏は、授賞式後のインタビューで「感動するほど参加者の技術レベルが高かった。皆、非常に複雑なアルゴリズムを使っていたため、審査も気が抜けず10時間ほどかけてレビューした」と、参加者の技術力を高く評価した。「特に今回は、技術的な難しさ・複雑さを評価軸の一つとして重きを置いていた。優秀な学生が集まり、興味深いプロダクトが多数生まれたことはよかった」と満足した様子だった。

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