リフカムは10月16日、社員に知人や友人を紹介してもらうリファラル採用に特化したスタートアップ向けのサービス「Refcome Teams」のベータ版を公開した。人事担当者だけでなく、“社員全員”で手分けして候補者を推進することが特徴だ。すでに一部の企業が導入済みだという。
Refcome Teamsは、候補者を社員の人脈から発見し、“候補者を社員全員で惹きつける”という一連の活動をサポートする機能を備えていることが特徴だ。人事の手を介さずに、社員全員が採用活動に参加できるため、リファラルが自走する文化を醸成できるとしている。
リファラル採用に特化した機能も充実させている。たとえば、社員の紹介で採用しようにも一向にいい人材の情報が上がってこないこともあるだろう。ただ、一方の社員は「転職しそうで、かつ自分から声をかけられる人なんて中々いない。優秀な人がいたとしても自分で口説く自信はない…」と思っているかもしれない。
そこでRefcome Teamsでは、“前職で尊敬していた営業職の先輩は誰ですか?”など、会社ごとの採用要件に合わせた最適な質問から人事も知らない人脈を社内で発見する「メモリーパレス機能」や、“自分は口説けなくても、役員なら口説けるかもしれない”といった、優秀な候補者を複数で進捗管理し、チームで候補者を惹きつける「コラボレーション機能」を搭載した。
さらに、候補者の転職意向の変化や、それに伴う社員のネクストアクションをリマインドし、最適なタイミングで候補者へのアクションを可能とする「アラート機能」。チームの頑張りをランキングやSlack通知で可視化し、紹介者だけでなくリファラルに関わった社員全員を認め合う文化を醸成する「カルチャー機能」などを搭載しているという。
同社はもともと、プロジェクト単位でビジネスの仲間集めができるスタートアップ向けのサービス「Combinator(コンビネーター)」を2014年に立ち上げたが、なかなか軌道に乗らず、事業をピボット(方向転換)。2016年にリファラル採用を活性化させるサービス「Refcome(リフカム)」を新たに開始した。
それから3年が経った現在、Refcomeは850社以上の企業に導入されており、特にすかいらーくや幸楽苑、ゴーゴーカレーなど、飲食業界からの引き合いが強いという。飲食店は、応募よりも友人の紹介などのリファラルの方がミスマッチが起こりづらく離職率が低いためだ。
実際、Refcomeを導入したある飲食チェーンでは、応募の場合は3カ月後には100人中10人しか残らなかったが、リファラル採用で入った従業員は約半数の55人が続けているそうだ。このような目に見える効果もあり、Refcomeの導入先は約7割が飲食業界だという。
大手企業からも引き合いがあり事業として好調な今、再びスタートアップを対象にした事業を提供したいと、リフカム代表取締役CEOの清水巧氏は語る。それが今回リリースしたRefcome Teamsだ。
清水氏は、初期は全員で取り組んでいたはずのリファラル採用が、会社規模が大きくなるにつれて人事部任せになってしまうタイミングがスタートアップにはあると指摘。人事部が設立される20〜30人のアーリーフェーズの段階で、リファラル採用を企業文化として根付かせることが大切だと考え、同サービスを開発したと思いを語る。
Refcome Teamsの料金は社員1人あたり月額3000円。2019年内に200社の導入を目標に掲げ、3年間で1500社まで増やしたいとしている。
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