丸の内ピカデリーに「ドルビーシネマ」登場--本当の“黒”を味わえる究極のシネマ体験

 究極のシネマ体験を実現する、新しい映画館が東京・有楽町の「丸の内ピカデリー」にドルビーシネマとして誕生した。松竹マルチプレックスシアターズがオープンに先駆け10月1日に公開した。映像技術「Dolby Vision(ドルビービジョン)」と立体音響技術の「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を採用し、劇場内には最新テクノロジーと一体となるよう設計されたシアターデザインを施している。オープンは10月4日。オープニング作品として「ジョーカー」を上映する。

「丸の内ピカデリー」に都内初となる「ドルビーシネマ」が誕生
「丸の内ピカデリー」に都内初となる「ドルビーシネマ」が誕生
映像技術「ドルビービジョン」と立体音響技術の「ドル ビーアトモス」に、シネマ体験に最適化されたシアターデザインをかけ合わせて再現される「ドルビーシネマ」
映像技術「ドルビービジョン」と立体音響技術の「ドル ビーアトモス」に、シネマ体験に最適化されたシアターデザインをかけ合わせて再現される「ドルビーシネマ」

 ドルビーシネマは、すでにグローバルでは400以上のスクリーンに導入されており、対応タイトル数は250以上。導入興行社数は22を数える。日本では、 2018年11月に「T・ジョイ博多」、2019年4月に「MOVIXさいたま」が導入したのに続き、6月28日に「梅田ブルク7」に導入。今回が4スクリーン目の導入だ。

 従来フォーマットに比べ500倍となる100万対1のコントラスト比と既存フォーマットの2倍以上となる輝度(2D)108ニッツを実現。輝度(3D)においても今までの2Dと同等の48ニッツというスペックを誇る。

 レーザー光源の「ドルビービジョン プロジェクションシステム」2台を使って投影され、「今までの黒は黒ではなかった」(ドルビージャパン 代表取締役社長の大沢幸弘氏)と言われるほど深く沈んだ黒を表現。「レンズの前に置かれたカラーホイールを使用せず、左目用と右目用それぞれの映像を表示することで、従来の3Dフィルムで発生したフラッシュやジッターを解消する」(大沢氏)とし、アニメの再現力にも優れる。

 丸の内ピカデリー ドルビーシネマは、座席数255で、最前列には10席限定でリクライニングシートを設置。鑑賞料金に加え一律600円でドルビーシネマ作品、一律1000円でドルビーシネマ3D作品が鑑賞できる。

座席
座席
最前列には10席限定でオットマン付きのリクライニングシート
最前列には10席限定でオットマン付きのリクライニングシート

 ジョーカー以降も、11月1日〜「IT/イット THE END “それ“が見えたら、終わり。」、11月29日〜「ドクター・スリープ」、2020年初春〜「劇場版『機動戦士ガンダム』I〜III」の上映を予定。2020年3月には、邦画初のドルビーシネマ作品として「Fukushima 50」の上映が控える。

 松竹 代表取締役社長の迫本淳一氏は「松竹には、歌舞伎など伝統的なことには取り組むが新しいことはやらないイメージがあるかもしれない。しかし、トーキー映画やオールカラー映画を日本で初めて上映したのは松竹。令和の新しい時代に最先端の技術としてドルビーシネマがふさわしいと今回の開発に至った」と背景を話した。

 「現代は、インターネットによって改革され、生産者と消費者が直結し、間に介在するものが排除されるような流れになっている。こうした時代の中で、何事も制作力をつけることが重要だと思っているが、一方で映画は生産者と消費者の間に映画館などが介在しながら、過去最大の興行収入を上げている。考えるに、映画はインターネットでは代替できない価値を生み出しているのではないか。今回のドルビーシネマの設置はお金も結構かかっていて、回収しなければいけない(笑)。あのときの投資は安かったと言える時代がくると思っている」(迫本氏)と、笑いも交えて、映画業界の立ち位置について話した。

シアター入口の「AVP(オーディオ・ビジュアル・パスウェイ)」
シアター入口の「AVP(オーディオ・ビジュアル・パスウェイ)」

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