炎上には第1段階の「事象発生」から「発見・指摘」「共感・共有」「拡散」まで4つの段階がある。例えば「タバコのポイ捨て」(第1段階)があると、それを発見する人が「ダメだよね」と指摘(第2段階)。それを拡散して“バズる”のが第3段階で、それがネットメディアなどに取り上げられることで第4段階の炎上につながる。ここまで来ると、腑に落ちるストーリーを提示するなどの対策を行わないと収まらないとおおつね氏は語る。
炎上させる人について、「揚げ足を取る人」「悪意がある人」「クレーマー」などのイメージを持つかもしれないが、実際はほとんどが「正義感が強い人」で、お客さんに失礼なことをしていることを「正したい」「制裁しなければいけない」「反省してほしい」と考える人だとおおつね氏は話す。
また、飲食店は「炎上しやすさランキング」で上位の方に位置するとおおつね氏は指摘する。
「気を悪くしてほしくないのだが、『大変な職業でもないし儲かるわけでもないのに、そんなに責任を求められても……』と思うかもしれない。しかし人生にかかわる教師と同じように食べ物も重要なため、『食品関連事業者がそんないい加減なことをしてはダメ』となる」(おおつね氏)
飲食店などが炎上しやすい要因について、「体育会系のノリ」と「集団意識」、そして「映える職場」の3つをおおつね氏は挙げた。
体育会系が悪いわけではないが、上下関係や有無を言わさない指揮命令系統はネット文化には嫌われる。また、食品廃棄など事業者としては当然せざるを得ないようなことでも、表立って触れると一般市民には違和感を覚えられてしまう。身内や業界関係者には通じる暗黙の了解などを表に出すと“燃えやすい”とおおつね氏は話す。
「映える職場」というのは、一般の住宅とは違う業務用の冷蔵庫や調理器具などが「SNS映えする」ことから、悪ふざけにつながってしまうということだ。
バイトテロを起こす若い世代は物心が付いた頃からデジタル機器に触れているため、「デジタルネイティブ世代」と言われる。しかし、現在の19~20歳あたりの世代はITリテラシーを学校で学ぶことなく育った世代だとおおつね氏は語る。
「中3くらいまでは小学校の授業に『情報』があり、(インターネットに)本名を書くのはやめましょうなどと教えられる。19~20歳あたりは情報の授業がなく、教えてくれる先輩もいない“狭間”のため、バイトテロが起きやすい大きな理由となっている」(おおつね氏)
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