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Chatwork、東証マザーズに上場--ビジネスチャットで国内初、時価総額は512億4000万円

藤代格 (編集部)2019年09月25日 12時57分
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 Chatworkは9月24日、東京証券取引所マザーズに新規上場した。初値は公開価格を7.5%下回る1480円で、終値は1400円、高値は1521円だった。終了時点の時価総額は512億4000万円。

(左から)Chatwork代表取締役CEO兼CTOの山本氏、取締役CFOの井上直樹氏
(左から)Chatwork代表取締役CEO兼CTOの山本氏、取締役CFOの井上直樹氏

国内初の“ビジネスチャットツール上場ベンダー”に

 Chatworkは、ビジネスチャットツール「Chatwork」を事業の主軸とするソフトウェアベンダー。EC studio時代には様々なソフトの販売やコンサルティング業務などを手がけていたが、現在は2つに厳選。売上高に占める割合は14%だが、利益率が高いというアンチウイルスソフト「ESET」の代理店販売のほか、86%という大部分をChatwork関連に注力している。Chatworkで代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏は「ビジネスチャットを主軸にする企業の上場は国内初」とビジネスチャットツールベンダーである点を強調する。

 チャットツールのChatworkは、効率的に情報共有するための「グループチャット」、流れていく情報の中の“タスク”を漏れなく管理、処理するための「タスク管理」、ドキュメントをクラウド上で管理できる「ファイル共有」、伝わりにくいときに追加のインストール不要で活用できる「ビデオ、音声通話」の4つの機能で構成。

 営業、マーケティング、総務や経理といった非IT部門にも好評なわかりやすいユーザーインターフェース(UI)、IDは一つで、複数IDを管理する必要がない“オープンプラットフォーム”型のアーキテクチャなどが特長になるという。

アーキテクチャはChatworkの特長の一つ(出典:Chatwork)
アーキテクチャはChatworkの特長の一つ(出典:Chatwork)

好調なマーケットが追い風

 ビジネス面では、チャット事業単体で年次150%超の売上成長率を継続。直近の上半期(1~6月)で初めて黒字化を達成し、通期としても黒字化を見込んでいると好調をアピールする。

 ある部門からほかの部門へとヨコに広まっていく、年ごとに同一社内のユーザー数が増えていく“ネガティブ・チェーン”状態になっているという契約ユーザーの実績や、国内のビジネスチャットのうち、月間アクティブユーザーが最も多いという調査などを紹介しつつ、「SaaS事業は開発時の人件費に大きくコストがかかる反面、その後は利益が増える構造になっている。ちょうど閾値は超えて黒字化したところ」(山本氏)と説明する。

山本正喜氏
山本正喜氏

 富士キメラ総研では、2017~2022年度に国内ビジネスチャット市場を3.7倍の高成長と見込んでおり、市場そのものは大きな伸び代がある。「働き方改革による生産性向上、コミュニケーションの効率、改善という側面などで注目が集まっている。高いポテンシャルがある」(山本氏)

 今後の成長戦略としては大きく2つだ。一つ目に販売チャネルと業種向け展開を強化しての“有料ユーザー数拡大”を掲げる。「士業や介護、建設業などを注力業種を絞っていたが、製造や小売り、医療にも広げたい。国産企業ならではのマーケティングチャネルを生かす」(山本氏)

業種展開を拡大していく(出典:Chatwork)
業種展開を拡大していく(出典:Chatwork)

 もう一つは“平均単価の向上”を挙げた。プロダクトの価値そのものを向上させつつ、Chatworkをプラットフォームとするビジネス展開も視野。「競合サービスと現状を比べると、2倍ほどの価格差があるプランもある。機能拡充での価値向上を追求しつつ、他社と一緒にビジネスも展開していく」(山本氏)

価格の比較表(出典:Chatwork)
価格の比較表(出典:Chatwork)

 チャットからお店の予約を頼めばスタッフが代行する、オンライン秘書のような「Chatworkアシスタント」、電話内容を代わりに聞き、テキスト化してチャットに送信する「Chatwork電話代行」などの既に実施しているサービスのほか、HRテックやビジネスマッチングなど、Chatwork活用によって得られる“コミュニケーションデータ”の活用も模索しているという。HRテック提供ベンダーとの協業も視野に、いずれも研究開発中と明らかにした。

チャットをプラットフォームとしたビジネスを広げていく(出典:Chatwork)
チャットをプラットフォームとしたビジネスを広げていく(出典:Chatwork)

 株価の初動に対しては「現時点でのマーケットの評価として受け止めたい」(山本氏)としながらも、「サブスクリプションモデルを採用するストック型ビジネスなので、中長期にかけて力強く成長できる。“売ったら終わり”ではなく、継続してもらうために大事になる、ユーザーが活用する“体験”をベネフィットにできれば、会社側のインセンティブにもなる(山本氏)」と力を込める。

 「ビジネスチャットは企業にとっての電気やガス、水道のようなインフラにあたると考えている。安心してデータを預けていただける企業としての強い証明になると思い、上場を目指した。障害に強いインフラと、“ヒト・モノ・カネ”といった経営資源をサポートするサービスなどを通して、コアビジネスに専念できる環境を提供していきたい(山本氏)」

 ビジネスチャットツールは、6月にニューヨーク証券取引所に上場した「Slack」、個人向けチャット「LINE」と連携できる「LINE WORKS」などがあるが、競合となるところは多くないと説明。「国内でのビジネスチャットの普及率は3割程度といわれており、それぞれが強いところを開拓している状態。むしろメールや会議、内線などが競合になることが多い(笑)」(山本氏)。“ビジネスチャット市場”自体の浸透、啓蒙にも注力すると語った。

各ベンダーの立ち位置(出典:Chatwork)
各ベンダーの立ち位置(出典:Chatwork)

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