コンピューター科学者でフリーソフトウェア提唱者のRichard Stallman氏は米国時間9月16日、マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の役職を辞任すると発表した。同氏は辞任する直前、売春目的での未成年者の「勧誘やあっせん」の罪で起訴されたJeffrey Epstein氏の被害者のうちの数名は「完全に自発的」だった可能性があることを電子メールスレッドで示唆していた。
「私はMITのCSAILの役職を即時辞任する」とStallman氏は16日に電子メールで述べ、「私が辞任するのは、一連の誤解や誤った評価によるMITと私への圧力があるためだ」とした。
Stallman氏はさらに、フリーソフトウェア財団のプレジデントと取締役も辞職した。同財団が16日に発表した。GNUプロジェクトの創設者である同氏は、1985年に同財団を創設した。
Epstein氏は性的搾取を目的とする人身売買の容疑で起訴されていたが、8月に勾留中の留置所で自殺した。
Motherboardは数日前、Stallman氏が「最も妥当なシナリオ」はEpstein氏の未成年の被害者らが「完全に自発的」だったことだと示唆した電子メールスレッドを公開した。
Motherboardによると、スレッドでは、被害者の1人であるVirginia Giuffreさんが、人工知能(AI)分野の草分け的存在でMITメディアラボの創設者であるMarvin Minsky教授との性行為を強要されたとき17歳だったことが指摘されていた。それに対してStallman氏は、「どこの国で起きたのかや、被害者が18歳なのか17歳なのかといった取るに足りない詳細に依存したかたちで『強姦』を定義するのは道徳的にばかげている」などと主張していたという。
Epstein氏に関連するMITのスキャンダルでは、同氏からの資金提供をめぐって、伊藤穰一氏もMITメディアラボの所長を辞任した。MITの教授と職員としての職も辞任するとしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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