5G対応スマートフォンの価格がかなり下がりそうだ。
Qualcommは米国時間9月6日、ベルリンで開催されている国際家電見本市IFA 2019で、2020年には「Snapdragon 8」「Snapdragon 7」「Snapdragon 6」シリーズのプロセッサーに5Gモデムを統合すると発表した。Snapdragon 8シリーズのチップは、「Galaxy S10」のようなハイエンドスマートフォン向けだ。たとえば、「Galaxy S10 5G」「Note10+ 5G」などのスマートフォンには「Snapdragon 855」が使われており、5Gネットワークへの接続のために、プロセッサーとは別にQualcommの5Gモデムが搭載されている。Snapdragon 7シリーズとSnapdragon 6シリーズのチップは、もっと手頃な価格帯のデバイスに搭載されている。
最初に登場した5G対応デバイスは高価だ。例えばGalaxy S10が900ドル(約9万6000円)からなのに対し、Galaxy S10 5Gは1299ドル(約14万円)だ。
5G対応の製品を増やすことにより、Qualcommはこの無線技術をより多くの消費者に提供する。
Qualcommによると、同社のパートナー企業が5G対応プロセッサーを使用する150を超えるデザインを開発しているという。5G対応の製品が増えることで、20億人以上のスマートフォンユーザーが5Gを利用できるようになると同社は見積もっている。
Qualcommのチップは、米国市場で流通しているほぼすべての5G対応スマートフォンに搭載されている。現行の5Gモデム「X50」は、5Gネットワークにしか接続できないため、スマートフォンメーカーは、旧タイプのネットワークに接続できるチップを別途購入する必要がある。モデムを2基搭載すると、スマートフォンは高価でかさばり、バッテリー消費が激しいものになってしまう。
次期モデム「X55」は、5Gだけでなくそれよりも古いタイプの移動体通信ネットワークにも接続でき、X50が抱える多くの問題に対処できる。Qualcommは2020年に、新しいSnapdragon 8シリーズのプロセッサーの中枢部とX55を統合する。それによって、スマートフォンの価格が下がって電力効率が向上するといったメリットが得られる。Qualcommは6日、このチップについて2019年中にさらなる詳細を明らかにすると述べた。12月初旬の「Snapdragon Summit」で説明される可能性が高い。
Qualcommは6日、5Gに対応する新しいSnapdragon 7シリーズのチップも統合版プロセッサーになると述べた。Oppo、realme、Redmi、Vivo、MotorolaのほかNokiaのスマートフォンを製造するHMD Globalなどメーカー12社がこのプロセッサーを利用する予定だ。第2四半期には、顧客へのサンプル提供を開始し、リリース前にテストなどを実施できるようにしている。デバイスは第4四半期か2020年の早い時期にリリースされるとみられる。
6シリーズの5Gチップを利用するデバイスは、2020年後半に提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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