LINE、「災害時モード」実装へ--チャットで避難所や避難行動を案内、福岡市で実証実験

 福岡を拠点とするLINE傘下のLINE Fukuokaは9月4日、福岡市のLINE公式アカウント(LINE ID:@fukuokacity)にて、「避難行動支援」の実証実験を開始したと発表した。

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 避難行動支援機能は、平常時の備えを支援する「平常時モード」と災害時の避難行動を支援する「災害時モード」の2モードを用意。平常時モードでは、現在の警報・注意報や近隣の避難所情報、ハザードマップなどが確認可能。これらを利用し、家族や友人とあらかじめ災害時の行動を話し合うことができる。また、福岡市のLINE公式アカウントに搭載されている「防災情報の発信」機能などと合わせ、平常時からの備えをサポートする。

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 災害時モードは、地震や豪雨の発生など、福岡市の防災・危機管理課から避難指示や勧告などが出た際に切り替わるもの。事前に、福岡市公式アカウントからの防災情報を受け取る設定にしておくことで、災害時にチャットボットが自動で通知を配信。屋内・屋外・乗り物内を起点に、住宅地、オフィスビル、海岸、山などを選択していくことで、そのシーンにあった避難行動を提示する。

 さらに、現在地を送信することで、周囲1km圏内の避難所を表示。避難所を選択することでGoogleマップが立ち上がり、ルートを案内する。また、ユーザー自身が避難を開始したことを家族や友人に伝える(選択した避難所を共有)ことができるほか、福岡市が活用を進めている防災アプリ「ツナガル+」への誘導も可能だ。なお、LINEでの災害時モードの実装は今回が初になる。

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災害時モードのデモは、福岡市の公式アカウントから試すことができる

 今回の実証実験は、2つのフェーズに分けての実施を予定している。フェーズ1は、2019年9月4日〜10月31日で実施され、平常時モードの公開と災害時モードのテスト版を公開。操作性などを検証する。災害時モードのテスト版は、平常時に限り利用可能で、地震発生時を想定した一連の流れが体験できる。テスト版の最後に案内するアンケートにて、体験したユーザーからの意見を募り、機能をブラッシュアップするという。

 フェーズ2は、2019年11月1日〜3月31日出実施予定。フェーズ1と同様に平常時モードは引き続き公開されるが、災害時モードは本番運用を開始するという(実際の災害発生時のみ利用可能。テスト版はクローズ)。

 福岡市の人口は2019年8月時点で159万人だが、LINEの福岡市アカウントはそれを上回る162万人が登録している。福岡に居住していなくても登録できるため、福岡市の全人口が登録しているわけではないものの、ユーザーの多くが市民と考えられる。この高いユーザー参加率をベースに、LINE Fukuoka側で企画・実装を進めた。今後は、実証実験の結果を受け、ユーザー評価が良ければ、福岡市以外の自治体にも広げていく考えだ。

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