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福岡発のスタートアップに寄り添う伴走者に--F Ventures両角代表インタビュー

藤井涼 (編集部) 山川晶之 (編集部) 阿久津良和2019年09月19日 08時00分
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 グローバル創業・雇用創出特区に選ばれ、国内外のスタートアップの誘致にも力を入れている福岡市。現地でもさまざまなスタートアップが事業を展開しているが、ヒト・モノ・カネが集中する東京と比べると、必ずしもスタートアップの支援環境が充実しているとは言い難い。

F Ventures代表パートナーの両角将太氏
F Ventures代表パートナーの両角将太氏

 この状況を変え、福岡から世界を変える起業家を生み出そうとしているのが、福岡市を拠点とするベンチャーキャピタル(VC)であるF Ventures代表パートナーの両角将太氏だ。なぜ、福岡で投資を続けるのか、福岡はマーケットとしてどのような可能性を秘めているのか、同氏に話を聞いた。

あえて「福岡」でVCを立ち上げた理由

——F Venturesを立ち上げた経緯を教えてください。なぜ、福岡だったのでしょうか。

 私は2011年からVCのサムライインキュベートにインターンとして参加し、そのまま新卒で入社しました。サムライインキュベート時代はイベント担当として、年間200回以上の起業家向けイベントを企画・運営してきました。また、広報の重要性を感じ、自分でもプレスリリースを書いたり、知り合った関係者のマッチングをするアライアンス支援などにも取り組んでいました。

 そこから4年半を経た2016年2月にサムライインキュベートを退社し、在籍時から思い描いていたVCを起業しました。もちろん、サムライインキュベート内で投資部門に異動する選択肢もありましたが、自分の夢を叶えるには数年かかると感じ、「早く投資がしたい」という思いと「20代のうちに大きな挑戦がしたい」という思いが相まって、独立をすることにしました。

 僕の地元でもある福岡市は、2014年5月に国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」に選定されましたが、当時は現地の創業期スタートアップを支援する人は見当たりませんでした。起業を促進する地域だからこそ、寄り添う伴走者が欠かせません。そんなもどかしい思いを抱いていたこともあり、2016年にF Venturesの本拠地を福岡市に構えました。

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 当初は東京でVCを立ち上げようかとも悩んでいましたが、「生まれ育った福岡は思い入れもあるし、自身がその地域で暮らしながら支援する」ことに意味があると感じ、福岡を本拠地に選びました。当時の上司だったサムライインキュベートの榊原さん(同社代表取締役の榊原健太郎氏)自身も、イスラエルに住みながら同国の起業家を支援していました。そのような背景から福岡市に住居を構えて、投資活動をすることにしました。

——F Venturesではどのような活動をしていますか。また、最近の投資企業を教えてください。

 現在運営しているファンドは2つあります。2016年7月から組成している1号ファンドから26社に投資し、2号ファンドは立ち上げと並行しながら、合計30社に投資をしています。その傍らで、学生による起業を支援するイベント「TORYUMON(登竜門)」を福岡市と東京都で開催し、コミュニティ活動を行ってきました。

 投資先としては、直近ではeスポーツ企業のRATELに投資しました。格闘ゲーム大会「EVO」の日本予選が開催されるほど、福岡はeスポーツが盛んで、eスポーツチームの「Sengoku Gaming」も福岡です。eスポーツを事業化する企業が比較的集まっており、RATELはゲーマー向けの戦歴データを管理するアプリを開発しています。

 将来的には、集めたデータを元に同レベルのユーザーとのマッチング対戦やeスポーツリーグもできるかもしれない。プレーヤーの総合力を判断するような仕組みです。eスポーツイベント開催側には大会管理ツールをBtoBで提供することで、選手データと紐付ければ、トーナメント作成も容易になるでしょう。

 現在は地道にゲーマーのデータ収集から取り組んでいます。オリジナルアバターなども作れるようにし、ゲーマーが楽しめるUXの実現に向けて、開発に集中しています。こうしてみると福岡市には、新分野に挑戦するスタートアップが少なくありません。“新しいもの好き”が多いのかもしれませんね。

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