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「環境に甘えず挑戦し続ける」--中国・深センの教育ロボット企業で奮闘する日本人女性 - (page 2)

藤井涼 (編集部)2019年09月07日 09時00分
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500 Startupsでスタートアップ支援の日々

 Slush Asiaに参加したことで、スタートアップの世界に魅了された東野氏。大学に留年しながら翌年の2016年も同イベントの運営に関わっていたが、その中で存在を知ったのが日本で立ち上がったばかりの500 Startups Japanだった。500 Startupsは世界最大規模のベンチャーキャピタル。グローバル規模で展開しており、多様な考え方を持ち、幅広く起業家をサポートしている点に魅力を感じ、「何度もしつこくメッセージを送り、2016年8月からインターンとして働けることになった」(東野氏)。

 当時、東野氏が与えられたミッションは、起業家のコミュニティ作りだった。そこで、起業家の悩みを聞きながらニーズをくみ取り、資金調達や採用、PRなど、毎月テーマを決めて勉強会を開いた。人材が足りないという起業家の悩みも解決するため、自ら転職希望者を企業に紹介したりキャリアフェアなどを開催し、人材のマッチングなども支援したという。さらに投資案件の開拓にも関わる傍ら、四半期ごとに投資先のスタートアップを招いたお花見やBBQ、忘年会なども企画した。

2017年夏の投資先やファンド関係者を集めて企画したBBQの様子
2017年夏の投資先やファンド関係者を集めて企画したBBQの様子

 これらのアイデアを実現できたのは、500 Startups Japanの共同創業者で、現在はCoral capitalの創業メンバーでもあるジェームズ・ライニー氏の存在が大きかったと東野氏は振り返る。「毎週30分だけでいいから1on1のミーティングの時間を作って欲しいと無理を言って、一緒に散歩したりしながら、私がやっていることや組織について話し合い、アドバイスをもらいながらいろいろな企画を形にすることができた」(東野氏)。

500 Startups Japanのメンバーと(2017年春に撮影)
500 Startups Japanのメンバーと。中央にいるのがジェームズ・ライニー氏(2017年春に撮影)

 500 Startups Japanでの仕事にはやりがいを感じていたし、会社からも必要とされていた。しかし、起業家を支援する刺激的な日々を送るほど、「結局、自分自身では何も成し遂げてはいないのでは。同僚や上司など環境に恵まれていただけで、ここでしか自分は通用しないのではないか」という、米国に留学した時と同じ悩みに直面したという。そこで、2年弱働いた同社を2018年4月に離れることにした。

自分を誰も知らない「深セン」で挑戦

 500 Startups Japanは、すごくいい環境だからこそ、自分を試すために一度離れたいーー。そう思い、東野氏が選んだ次の挑戦の地は中国だった。米国留学時に暮らしていたシアトルでは、台湾人など中華系の友人も多かったが、自分だけ中国語が話せず、会話の輪に入れないという歯がゆい経験をした。帰国後も定期的にその友人たちとは会っていたが、その度に十分に思いを伝えられないことにストレスを感じていたという。

 それと同時期に、スタートアップマーケットを中心に中国が急成長し、世界的に注目を集めていた。そこで、中国語を学びながら、新たな挑戦ができるのではないかと考え、バックパッカーをしながら中国の都市を見て回ることにしたが、いきなり最初に訪れた深センに心を掴まれてしまったと東野氏は語る。「地下鉄に乗って周りを見渡したら若者しかいなくて驚いた。平均年齢が若くて、エネルギーに溢れていて、深センに来た瞬間に好きになってしまった」(同氏)。

中国の深センにある電気街「華強北(ファーチャンペイ)」
中国・深センの街並み。こちらは電気街「華強北(ファーチャンペイ)」

 しかし、当然ながら深センでのつてはなく、仕事をするにもどこで働くかは決めていなかった。そんな中、香港で開催されていたカンファレンス「RISE」に参加した際に出会ったのが、500 Startups Japanのジェームズ氏とも親交のあるHAX創業者のベンジャミン・ジョフ氏。深センで働きたいなら、投資先でMakeblockという会社があると教えてもらった。

 日本でも大学時代に教育実習の経験があり、教育事業に興味があった東野氏は、Linkedin経由でMakeblockの採用担当者に何度もメッセージを送り続けたが、タイミング悪く担当者が長期休暇に入るため連絡がつかなかった。諦めかけていた時、偶然知人に誘われたイベントでMakeblockの社員と知り合うことができ、後日面談を経て、2018年10月に同社に入社することができたという。

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