コンサルティング企業のCambridge Analyticaが米大統領選挙のためにユーザーデータを不適切に入手していたことが発覚する約3カ月前の2015年9月、Facebookは自社のデータをCambridge Analyticaが悪用している可能性があることを懸念していた。米国時間8月23日に同社のプレスリリースで公開された社内メールにより、そうした事実が明らかになった。Facebookの次席法務顧問を務めるPaul Grewal氏が掲載したこれらのメールの内容は、ワシントンDCの司法長官の働きかけにより公開に至った。
2015年9月から2016年2月まで続くメールのやり取りからは、Cambridge Analyticaなどの外部企業によるFacebookのデータの利用方法に問題がある可能性があることにFacebookの従業員が気づいた時期について、新たな洞察が得られる。初期のあるやり取りでは、Facebookの従業員はCambridge Analyticaを「(控えめに言っても)不審なデータモデリング企業」と表現している。The Guardianはその3カ月後、Cambridge Analyticaがオンラインのクイズを通じて得た多数のFacebookユーザーのデータを利用し、Ted Cruz議員の選挙運動を支援していると報じた。Cambridge Analyticaはその後、Donald Trump大統領候補の選挙運動に関与した。
2015年9月22日付けのメールには、次のように書かれている。「われわれは、これらの企業の多くが同様のスクレイピングを行っているのではないかと疑っている。保守派陣営で最大規模かつ最も積極的なのはCambridge Analyticaで、われわれの市場に深く浸透してきた(控えめに言っても)不審なデータモデリング企業だ」。このメールは、Cambridge Analyticaが行っていることを具体的に特定するための支援を要請している。
Grewal氏によると、Facebookのエンジニアは、Cambridge Analyticaがデータスクレイピングを行っている証拠を見つけられなかったという。データスクレイピングは、公開データから自動的に情報収集する手法であり、「深刻だがインターネットで頻繁に起きる問題」とGrewal氏は説明した。
最初の懸念から約2年半後、Cambridge Analyticaは、表向きは性格診断サービスを提供するアプリ「thisisyourdigitallife」を通じて収集されたアカウント約8700万件から、情報を入手していたと報じられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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