CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを、独自の視点で紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント領域を取材している佐藤(本稿における写真撮影は山川)が担当。今回は、ファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」におけるプロジェクトで、クラウドファンディングを活用し3000万円以上の支援を集めた「平山笑美オリジナルソロアルバムCD制作プロジェクト」のアーティストである、声優の平山笑美さんに話を聞いた。
このプロジェクトは、平山さんによる単独ライブ開催を目指す過程において、オリジナル楽曲ならびに、CDの制作を目的としたもの。ゲーム音楽などで「Sampling masters MEGA」の名前でも知られる、スーパースィープ代表取締役の細江慎治氏を音楽プロデューサーに迎え、アニメやゲームの音楽シーンで活躍する作家やアーティストが楽曲制作に参加している。
当初は目標金額250万円で4曲制作のクラウドファンディングとして5月に開始したが、目標金額は開始数時間で達成したうえ、そのあとに追加した、700万円で10曲を制作する最終ストレッチゴールもすぐに到達。最終的には4837人が支援し、1275%となる3187万7500円が集まるという、大型のプロジェクトとなった。そしてCDもアップグレードし、12曲制作のフルアルバムとして用意される形となった。
そして目標としている平山さん初の単独ライブについても、クラウドファンディングのプロジェクトとして、8月13日21時からFanbeatsにて開始する予定となっている。
平山さんは、アニメ「猫のダヤン」のジタン役や、ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」の北上麗花役、「拡張少女系トライナリー」の卯月神楽役などを担当。参加作品ではキャラクターソングも数多く歌っており、ライブイベントなどでステージに立ち、歌声を披露もしている。
このプロジェクトは平山さんだけではなく、有志で集まった運営スタッフとともに進められたもの。弊誌におけるFanbeatsのインタビューでも運営スタッフの方から話を聞いたが、今回は平山さんに、プロジェクトを立ち上げた経緯や、クラウドファンディングについてどのように感じていたかということを中心に聞いた。
ーープロジェクトページには、ライブをやりたいということがきっかけで立ち上がったとありますが、改めてそのあたりの経緯を教えてください。
今はフリーランスとして活動していますけども、フリーになって少ししたときに、友達から「笑美ちゃんのライブがあったら、絶対に見に行くよ!」と言われたことがあったんです。そのときに、ライブは箱(※会場のこと)があって、自分で押さえれば開催できると思ったのがきっかけです。でもそのときは、お客さんが100人ぐらいで、演奏もギター1本とパーカッションぐらいでできたらいいなと思うぐらいの、こじんまりとしたイメージでした。
そのことをSNSで投稿したら、賛同してくださった方がいらっしゃって。有志の運営スタッフとして協力していただけることになったのが、プロジェクトとして立ち上がった経緯になります。そして運営スタッフと話をしていくなかで「オリジナル曲があったほうが、ファンの方も喜ぶ」となったことから、まずはオリジナル曲を4曲作ろうというところで話が進みました。
ーークラウドファンディングは、以前から知っていたのでしょうか。
いろんなところで耳にしていて、両方がwin-winの関係になれるものというイメージを持っていました。ただ、何かを研究したり物づくりをするというような、エンタメ以外の領域で有意義な活用方法なのかなと。エンタメの場合だと、アーティストや演者としての見え方も気にしなければいけないと感じていたので、活用するには少し難しいイメージを持っていました。
ーー今回のプロジェクトは運営スタッフとともに準備を進められたかと思いますが、ご自身でもなにかクラウドファンディングについて調べたりしましたか。
自分なりに、いくつかクラウドファンディングサイトのプロジェクトは見ました。これまで触れてこなかったジャンルなので、見ていてよくわからない部分もあったのですが、いろんなプロジェクトがあると感じました。
ーーミリオンライブ!などで共演されていたり、一緒にオンラインサロンも行ってて親交もある声優の桐谷蝶々さんが、平山さんよりも少し前にクラウドファンディングのプロジェクトを実施していましたが、お互いに何かお話はされましたか。
しました。桐谷さんから「クラウドファンディング始めるんだ」という話をされていて。それで「私もそろそろ始めるよ」と話したときに「やるなら自信を持ってやったほうがいいよ!」とエールをもらったことを覚えてます。
ーー準備段階で意識したことはありますか。
このプロジェクトは運営スタッフのみなさんが、お仕事ではなく有志として、真心で集まってくださっている方々ですし、さらにファンの方にもご協力をいただいて完成するものだと思っていたので、手を抜かないのは何事でもそうですけど、いつも以上にハートを届けてお返しできるようにと、そんな意識を持っていました。
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