7月28日から8月1日までの5日間、46回目となるSIGGRAPH(シーグラフ:Special Interest Group on Computer GRAPHics)が米国のロサンゼルスで開催された。SIGGRAPHは、コンピュータ科学分野の国際学会(ACM)が主催。毎年世界中から1万人以上の研究者や開発者、専門家などが北米に集まり、最新のコンピュータグラフィックス(CG)技術や理論、アプリケーションを学び体感する学会だ。
筆者が所属するデジタルハリウッドは、スクール開校初期から大学院・大学設立を経て、20年以上「SIGGRAPH ツアー」と称して学生とともに参加してきた。分科会のSIGGRAPH ASIA 2018が東京で初開催された2018年は、杉山知之学長がローカルコミッティ・エヴァンジェリストに抜擢された。
CGといえば、映画やCMに使われている映像の効果という認識の方も多いと思うが、この学会では他にも、様々な産業やシーンでの活用が広がるVRやAR、ICTなどのテクノロジーが紹介される。
学会というと、論文発表が主要と思われがちだが、SIGGRAPHはそれだけではない。他にも「プロダクションセッション」という映画作品のクリエイターが行うセミナーや、「エキシビション」という最新機材の展示コーナー、「エレクトロニックシアター」という映像作品の鑑賞会、「エマージングテクノロジー」といういまだ完成していない実験段階の機器コーナーなどがある。未来を見据えた、様々なCG技術やコンテンツ、VRやAR、ICTに関する展示などが、連日お祭りのような感じで、賑やかに発表された。
様々な映画制作会社(プロダクション)のクリエイターによる講演が多数ある。例えばPixarによる「トイストーリー4」のライティング(照明技術)やカメラワーク(演出)の解説。
Marvelによる「アベンジャーズ・エンドゲーム」では、全2700カットのうち2500カットに何らかのVFX(視覚効果)が与えられており、それらのデータ総量は約2P(1ペタ=1ギガの100万倍)だったことが紹介された。
エマージングテクノロジー(略称:E-tech)は、いまだ研究段階の作品や商品を、見たり触ったり体験できるコーナーである。今回は27作品が入選したが、その半分以上は日本人の作品で、別名「日本人街」とも言われている。東京大学、筑波大学、慶應大学、東京工業大学をはじめとする大学の研究室からの作品や、ソニーなどメーカーからの出展など、多岐にわたっていた。
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