4つめのテーマが「事業責任者への期待」である。「非常に厳しい事業環境下という局面においては、個々の事業責任者自らが先頭に立って、事業を力強く牽引していくことが何よりも大切である。各事業責任者には、5つの観点から自身の能力を、日々、磨き続けてほしい」と提案した。
ここでは、いかなる困難や環境変化に直面しても、決して逃げることなく、強い決心とスピードを持って立ち向かう「厳しい事業環境への対応力」、高い当事者意識や責任感を持って、常に、自ら考え、自ら動き、自ら価値を生み出す「オーナーシップ(創業者意識)」、自身の事業に鴻海グループの強みを貪欲に取り入れ、足し算のシナジーに加え、掛け算のシナジーを創出する「鴻海グループとのシナジー」、担当する事業領域に限らず、さまざまな分野に視野を広げ、新たな知見、さらには経験を身につける「幅広い事業領域に精通」、語学力はもとより、グローバルな視点や経営感覚を身につけ、自ら先頭に立ってグローバル事業拡大を牽引する「グローバルマインド」の5点をあげた。
「最近、メディアの方々から、『次期社長に求める能力は?』という質問をよく受けるが、私は、この5つを極めて高い水準で身につけた人材こそが、次のシャープの社長に相応しい人材であると考えている」と明言した。
メッセージの最後に戴会長兼社長は、「日本では、今週末からお盆休みに入る。改めて言うまでもないが、シャープはグローバルに事業を展開しており、この間も世界ではビジネスが動いている。幹部は、たとえ休暇中であっても、新たなビジネスチャンスやリスクへの対応が後手に回ることのないように、お客様に合わせた柔軟な休日設定を行うとともに、いつでも、電話やメールでの対応ができるよう、常に心掛けてほしい」とした。
また、「私がシャープの社長に就任して、まもなく丸3年を迎える。この3年間、ともに頑張ってくれた社員に改めて感謝する。今後も引き続き社員全員の力を結集し、足下の厳しい事業環境を乗り切るとともに、シャープの次の100年に向けて、共に頑張っていこう」と締めくくった。
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