ケップル、アフリカでのスタートアップ投資を開始--現地情報の発信や日本企業との協業も

 会計事務所や未上場株式管理ツール「FUNDBOARD」などを手掛けるケップルは8月5日、アフリカのスタートアップ向け事業を開始すると発表した。この事業では、成長に必要な資本とリソースを供給するほか、アフリカのスタートアップと日本企業をつなぐプラットフォームを提供。日本企業に成長市場へアクセスする機会の提供を目指す。


 アフリカ事業の開始にあたり、米国からナイジェリアのスタートアップ支援に取り組んできた品田諭志氏、ケニアでベンチャー投資に携わる山脇遼介氏の2人をビジネスや投資のパートナーとして起用。品田氏が西アフリカ市場、山脇氏が東アフリカ市場を担当する。

 新事業では、3つの領域を展開。まず、ケップルと日本経済新聞社の資本業務提携を軸にした、アフリカのスタートアップに関する情報を発信。両社は日本のスタートアップ情報を「ケップルスタートアップ企業情報」として提供しており、この取り組みをアフリカのスタートアップにも拡大する。

 次に、アフリカのスタートアップへの投資および、協業を模索する日本企業への支援業務だ。8月末にはア、フリカ最大のインキュベーターであるCo-Creation Hub(CcHUB)、同社が厳選したアフリカのスタートアップ10社が来日。日本企業とのマッチングおよび、個別商談のイベントをケップルと日本経済新聞社で共催する。

 3つ目として、ケニア・ナイジェリアを中心としたアフリカのスタートアップへのインキュベーション・投資事業を手掛ける。アフリカのスタートアップは、市場が必要とするプロダクトやサービスを開発した後に、ビジネスを拡大するための成長資金とノウハウが不足しており、大きなボトルネックとなっている。ケップルでは、投資および日本企業との協業を促進する仕組みを提供。このギャップを埋めることで、スムーズな産業発展に寄与するという。

 なお、今回参加したパートナーはすでに個別にケニアおよび、ナイジェリアのシード期のスタートアップに対するインキュベーション・投資をスタートしており、高い成果を出しているという。

起業家、投資家向けの”ガチ”な投資教育事業「ケップルアカデミー」

 さらに、スタートアップと投資家がともに集って学べる日本初の教育・研修サービス「ケップルアカデミー」を開設する。

 同社は、投資家のファイナンスの実務をサポートするポートフォリオ管理ツール「FUNDBOARD」の提供を通じ、昨今のスタートアップ投資市場の変化、特にCVCに代表される事業会社による投資機会の増大を目の当たりにしているという。しかし、スタートアップ投資に関する基礎知識や投資活動における商習慣の理解、投資家同士の人的ネットワークなどがまだまだ不足していることから、ケップルアカデミーを開始することになった。

 ケップルアカデミーは、1回完結型の「イベント」、1つのテーマで複数回に渡って講義を行う「コース」、審査を通過した特定の層に対して深い学びを提供する「クローズドコミュニティ(サロン)」という3つの方式で教育・研修コンテンツを提供する。

 年内はベータ期間中と位置付け、まずはイベントとコースの2方式でスタート。日本経済新聞東京本社2階のSPACENIOにて、8月20日に開催するオープニングイベントを皮切りに、続々と各種教育コンテンツを提供するという。ベータ期間中に延べ5000名以上の受講生を目標としている。


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