Facebookは社内の公民権タスクフォースを恒久的なものにすることを決定した。最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏が米国時間6月30日のブログ記事で明らかにした。この決定は、Facebookのポリシーと慣行が公民権に及ぼす影響について継続的に調査する中で生まれたものだ。主要な経営幹部がメンバーに名を連ね、Sandberg氏が議長を務めるこのタスクフォースは、Facebookのコンテンツポリシー、自社の人工知能(AI)の公平性、そして、プライバシーと選挙に関する諸問題に取り組む。これらは、Facebookが対応に苦慮してきた分野だ。
Sandberg氏によると、タスクフォースでは公民権の専門知識を持つ人材を登用する予定だという。また、Facebookが一部の有権者に対する抑圧や脅迫に利用されるのを防ぐため、投票権の専門家とも協力する。
タスクフォースの常設化、ヘイトスピーチの取り締まりに関する勧告、広告に関する新たなポリシー、選挙と2020年の国勢調査の正当性を守るさまざまな取り組みは、Facebookの公民権監査に関する2回目の経過報告書に記載されている。この報告書も6月30日に発表された。最初の経過報告書は2018年12月に発表済みで、最終版となる3回目の報告書は2020年の上半期に発表される見通しだ。
「当社は今後も公民権団体からのフィードバックに耳を傾け、それらの団体が提起した重要な問題に対処し続ける。そうすることで、Facebookは当社のサービスを利用するすべての人の公民権をより効果的に保護し促進することができる」(Sandberg氏)
マイノリティーのグループを標的にしたり、白人ナショナリズムを扇動したり、投票を妨害したりするのにFacebookが利用されているとの苦情を受けて、同社は対応に取り組んでいる。
さらに、Facebookは保守的な意見を検閲しているとして、Donald Trump大統領などから非難されている。
2018年、PR企業のDefiners Public AffairsがFacebookに批判的な人々をGeorge Soros氏と結び付けることで、それらの人々の信用を失墜させようとしたことがNew York Times(NYT)によって報じられ、Facebookと公民権擁護団体の間の緊張が高まった。ユダヤ人の富豪であるSoros氏は、進歩的な理念を支持しているとして、反ユダヤ主義の極右陰謀論の標的になっている。
Sandberg氏によると、Facebookでは、関連する製品やポリシーに関与している主要な従業員に公民権教育を提供するという。公民権問題に対する意識を高めて、さまざまな決定に反映させることが狙いだ。
「これらは長期的に責任を果たしていくための最初の段階だと認識している。Facebook上で公民権を明示的に保護し促進する文化を築くために、さらなる変更を計画している」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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