ワ―ナー ブラザース ジャパンとNianticは、位置情報ARゲーム「ハリー・ポッター:魔法同盟」の国内配信に先立ち、メディア向けの説明会を開催した。
本作はハリー・ポッター:魔法ワールドをテーマにした、AR活用の位置情報ゲーム。日本に先駆けて6月21日から海外で配信を開始。日本でも、7月2日から配信を開始した。
冒頭ではNiantic プロダクトマネジメント エグゼクティブプロデューサーのジョン・ヴィフィアン氏が挨拶。Nianticといえば「Ingress」と「Pokemon GO」といった、世界規模の位置情報ARゲームを開発・運営している。そして本作は、Nianticが展開する「Real World AR Platform」の第3弾にあたるもの。
ヴィフィアン氏は、本作についてかなり前から話が進んでいたという。企画が始まった当初、Nianticの創始者であるジョン・ハンケ氏がワ―ナー ブラザースとNianticの幹部が一同に会して話し合いをした際「あれだけスムーズに運んだミーティングはこれまでなかった」を話していたことを明かし、本作に対する自信も見せていた。
本作の監督を務めているWB Games San Francisco副社長 兼 スタジオヘッドのジョナサン・ナイト氏から、世界観やゲームの内容が説明された。
ナイト氏は、そもそもハリー・ポッターの世界観は、リアルな世界と魔法使いの世界の境界線が薄い状態にある。ファンがファンタジー世界の主人公になり、魔法の力を持っているということをかなえられるタイトルだとしている。
本作では、本来魔法界はマグル(※非魔法族)たちの目に一切触れてはならないのだが、未曽有の大災厄が降りかかり、魔法界のいろいろなものがあふれ出し発覚の危機にさらされているという。プレーヤーは世界中の魔法使いを協力しながら、魔法道具や生物、さらには魔法界の人々をあるべき場所に戻しつつ、大災厄の謎を追うというストーリーとなっている。
マップでは、現実世界の位置情報に沿う形で表示され、さまざまな建物が建っている。「宿屋」では食べ物を食べてエネルギーを補給。「温室」では、魔法薬の原材料となる植物の種を植えたりすることができる。もちろん、魔法薬の調合するという要素もある。
ほかにも「ランドマーク」では、ゲームのヒントとなるようななにかの痕跡があるとしている。また、天候や月の満ち欠けなどがゲーム内に影響を与える要素も取り入れられているという。
ゲームを始める際、プレーヤーは魔法省のIDを作成。自分の写真を撮影するのだが、帽子やメガネ、マフラーなどでデコレーションが可能。これは撮影したあとではなく、ARによってリアルタイムで装飾が反映するようになっている。
ゲームを進めていくなかでは、魔法界の痕跡を見つけることができる。それぞれの痕跡に脅威レベルが設定されており、珍しさや危険度(敵の強さ)の目安になっている。魔法会に戻すべきあらゆるものは「ファウンダブル」と呼ぶのだが、タップするとファウンダブルそのもの、あるいは邪魔する何者か(コンファウンタブルと呼ばれる、拘束具や敵など)が現れるようになっている。バトルでは画面上を指でなぞる形で呪文を発生させ、回収をしたり敵などを倒していく。
手に入れたファウンタブルは登録簿に登録される。10のカテゴリに分かれており、登録するほど登録簿のページもレベルアップし、蓄積すると報酬もアップしていくという。
また団結するというのも重要なテーマとし、複数人が集って楽しむ要素もある。ゲームを進めていくとマップ上に「砦」が登場。ここには、重要なファウンダブルがあるという。ここでは、「ルーンストーン」と呼ばれるアイテムを使い、最大5人で部屋に入り敵に挑む「魔法使いチャレンジ」を行うことができる。制限時間は5分となっている。
ここでは、3種類の職業が用意され、プレーヤーは1つを選択する。職業は「闇払い」「魔法動物学者」「教授」となっており、それぞれにスキルツリーも用意。各プレーヤーが、ほかにはない魔法使いとして存在できるほか、長く楽しめる要素になっているという。
本作におけるポイントとして、前述した大災厄の謎を追う要素があること。物語の断片を集めていくことで、大災厄の裏でどういうことが起きたのかを解明していく。物語も時系列通りに見つかるわけではないため、いろんな人がそれぞれの断片となる情報をつなぎあわせていくことで、物語の全貌が見えてくるという。これもみんなで楽しむ要素のひとつとしている。
また注目ポイントとして「ポートキー」がある。一定距離を歩くと使用可能になるというもので、画面越しに地面に置くと、魔法界の隙間が出現。そこに入ると、魔法界でおなじみの場所を360度見ることができる。そこで隠されたオブジェクトを探すことができるという。
筆者も序盤の部分を体験したが、その範囲に限った率直なプレイフィールはPokemon GOのシステムに近い印象を持った。それゆえに慣れるまでのハードルはそこまで高くないように思える。バトルシーンにおける魔法を使うシーンでは、指先でなぞるスピードが遅いとやり直しになるなど、直感的ながらも緊張感を味わう部分もある。ARをオンにしたときには、周囲を見渡して敵を探すという要素もあり、また臨場感も味わうことができた。
ポートキーについてはここでは体験できず、映像の上映にとどまったため感想は言えないものの、本作のすごさやハリー・ポッターらしさをより感じられるものであるのは間違いないだろう。
絵柄などはいわゆる洋風ファンタジーであるため、その部分については好みによって入り込める度合は変わってくるかもしれないが、音楽も耳なじみのあるBGMが使用されており、それを聴きながらだと、この世界に入っていける感覚を持てた。その観点でいくと、ハリー・ポッターのファンはもちろん、こうしたファンタジー世界に興味のあるユーザーであれば、十分に楽しめるポテンシャルを感じさせるものとなっていた。
PORTKEY GAMES, WIZARDING WORLD, HARRY POTTER: WIZARDS UNITE, characters, names and related indicia (c) and (tm) Warner Bros. Entertainment Inc. Publishing Rights (c) J.K. Rowling. (c)Niantic, Inc. All Rights Reserved (s19)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」