「Pokemon GO」や「Lego AR Playgrounds」といった拡張現実(AR)アプリが、人々の心を捉え、話題をさらってきたが、実際に有益なARの役割は、Mercedes-BenzやBMW、Land Roverなどの車から広まるかもしれない。自動車分野で利用されるARは、ARに対する見方を娯楽から必需品へと変え、Magic Leapのヘッドセットや「Microsoft HoloLens」のような顔面装着型の製品から話題を奪う可能性を秘めたトレンドだ。
よくある誤解を解くために、改めていくつか確認しておこう。
自動車では、視界を遮られることが問題となる場合が多いことから、車載ARで特に強力な機能として期待されているのがこれだ。例えば、GMCの2020年型ピックアップトラックには、透明トレーラービューのオプションが用意される。
トレーラー後部からのカメラ映像を、ダッシュボードスクリーン経由で実際の視野に重ねて表示し、けん引しているトレーラーを、まるでそこにないものかのようにする。これと逆方向なのが、同様のAR技術の草分けとも言えるLand Roverで、2020年型「Evoque」では、本来であれば視界の一部を遮る車体の前部が透明になって悪路が見えるようになる。
Jaguarは、ARを使った透明ピラーの初期バージョンを2014年に披露しているが、まだ製品化には至っていない。カメラではなくOLEDのピラーを取り付ける技術に難航している可能性がある。サムスンの「Galaxy Fold」も折りたたみ画面の技術で問題を抱えていたが、自動車メーカーとなると、万全の状態になるまで新しい技術を採用しようとしないものなのだ。
スクリーンによって地図は大幅に進化したが、地図を読めない人もまだ多い。距離も角度も、北がどちらかさえ分からない人でも、ARがナビゲーション機能を果たしてくれる。
投資信託会社Fidelity Investmentsの、「緑のラインをたどって」というテレビCMを見たことがあれば、カーナビの未来について予想がつくだろう。Mercedes-Benzは、ARナビゲーションに早くから着手しており、最新モデルの「A-Class」と「GLE」では、ライブカメラビューに写った物体にナビゲーション指示が重ねて示される。
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