popInが手がける、プロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」が、2018年に実施したクラウドファンディングを含め2万台を売り上げた。販売チャネルは公式ECサイトのほか、家電量販店など。楽天の「お買い物マラソン」では2時間で872台を販売するなど、快進撃を続けている。6月21日、popInでは事業報告会を開催。クラウドファンディングから、先行販売、一般販売を経た現状までの動向と、利用者の状況、今後の販売計画などについて話した。
popIn Aladdinは、プロジェクター、スピーカーを内蔵したスマートライト。映画などを投影できるほか、オリジナルデザインのさまざまな時計を楽しめる「壁時計」、季節と時間に合った美しい風景が見られる「美風景」、画像をアップロードして、大画面でスライドショーができる「フォトメモリーズ」、世界中の人気絵本をナレーション付きで映す「世界の絵本」、等身大のサイズで動物を鳴き声と共に映し出す「等身大動物図鑑」など、ファミリーやキッズ向けの独自コンテンツもそろえる。
「3人の子どもに親として教えたいのは世界観を広げること。自分の価値観を押し付けるのではなくて、多くの世界を見せて視野を広げさせたい。popIn Aladdinは世界観を広げるのに最適なツールだと思っている」とpopIn代表取締役社長の程涛(テイ・トウ)氏は、popIn Aladdinの開発の経緯を話す。
こうした経緯からpopIn Aladdinは、子どものいるファミリー層をターゲットに販売をスタート。夜寝る前、朝起きてからの時間を活用できるように、設置場所も寝室を想定していた。
しかし、購入者層を見るとファミリー層が49%、シングル、カップルが51%と半々。設置場所も寝室が47%、リビングが53%という結果になった。popInシニアセールスマネージャーのローレンス・ジェファーズ氏は「popIn Aladdinは多くの人に興味を持っていただけた。多くの人に楽しんでもらえてうれしい。設置場所については、テレビ離れという背景もあるが、40〜50インチが平均とされるテレビに比べ、popIn Aladdinは120インチの大画面投影も可能。テレビにプラスしてリビングに設置いただいているケースもあるようだ」と、想定外のニーズがあったと現状を話した。
販売チャネルも順調に伸びている。楽天、アマゾン、ヤフーで公式ECサイトを展開するほか、リアル店舗として、蔦屋家電、ヤマダ電機、ビックカメラなどでも販売をスタート。当初はわずか8店舗しかなかった体験店舗も現在は60店舗にまで増えた。
「最初に導入した量販店の方からいただいた注文は10台。険しい道程があると思ったが、信念を持って取り組むことで、ひと月に1000台以上の販売につながるケースもあった。ほかの家電とは異なる、人の世界観を広げられる家電だと信じている」(ジェファーズ氏)と順調だ。
ホテルは11カ所に導入済み、不動産販売、管理会社は提携予定が4社と法人販売にも力を入れる。「ホテルはスペースを広く使いたい。その時に場所を取らずに設置できるpopIn Aladdinは相性がいい。不動産会社へのアプローチも、入居時にテストとして導入しておくことで、そのまま購入に結びついたり、入居するオプションとして提案したりとメリットを与えられる」(ジェファーズ氏)とした。
新たな展開として、ユーザーにIDを付与する「Aladdin ID」をスタート。登録は無料で、映画チケットの抽選や、イベントへの招待、「小児科オンライン」、ベビーシッターサービスの「キッズライン」の特典などを提供する。
また、すでに提供している、美風景に日本の風景に加え、世界の風景が追加されるほか、世界の絵本に、月額360円で1作品が公開される新サービスも開始。同日には、ヒーリングレーベルのデラと業務提携を発表し、ヒーリング・ミュージックや映像を導入することも発表した。「ナショナルジオグラフィック」や映像配信サービスの「U-NEXT」とのパートナー提携も結んでいる。
popInでは、2019年の販売目標を3万台に設定。6月の時点で1万台を販売しており、残り半年で2万台を売る計画だ。程氏は「2019年はまだマーケティング費用を投下しておらず、オーガニックで販売して1万台を売り上げている。後半はテレビCMも検討しており、マーケティング施策により2万台の販売は達成できると思っている」と計画を話した。
popInでは、小さな子どもを持つスタッフも多く、コンテンツの導入などにおいては、スタッフの自宅でテストした上で導入しているとのこと。世界の絵本の読み聞かせも、スピードや声音などを検証した上で採用しているという。
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