東大発ベンチャーのpopInは4月25日、シーリングライトにプロジェクタを一体化したスマートライト「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」の量産デザインを披露した。前モデルに比べ高さを押さえ、より設置しやすいサイズを実現している。5月31日まで先行予約販売を受け付けており、税込価格は4万4800円。
popIn Aladdinは、照明器具を付ける家庭用の引掛シーリングに設置するスマートライト。シーリングライトとして、室内照明の役割を果たすほか、プロジェクタを内蔵し、子ども向けのコンテンツなどを60~120インチの大画面で見られる。
popInは、ソフトウェア開発などを手掛ける企業。2008年7月に設立し、2015年5月に中国の検索⼤⼿「Baidu(百度)」の⽇本法⼈バイドゥと経営統合した。ハードウェアであるpopIn Aladdinの開発は、代表取締役社長である程涛氏が個人の趣味としてスタート。自身も5、3、1歳の子供を持つ父親として、地図やひらがな表に毎日触れてもらいたいという思いから生まれた。
程氏は、プロジェクタで壁に投影することで自然な情報空間を作りたいと考えたが、給電方法、設置場所、接触頻度などの課題があり、通常のプロジェクタでは難しかったとのこと。そこで、引掛シーリングに設置する方法を思いついたという。
popIn Aladdinは、2017年10月にコンセプト機を発表。KickstarterとMakuakeでクラウドファンディングを実施し、合計9200万円以上の支援金を集めた。今回量産化モデルにおいては高さを250mmから169mmに薄型化したほか、直径を400mmから476mmに大型化した。これは「400mmではシーリングライトとして部屋を明るくできず、高さ250mmでは厚すぎてシーリングライトに見えなかったため」(程氏)。サイズ感を近づけることで、シーリングライトの役割も十分に果たせるデザインを目指した。
引掛シーリングに設置することで電源を確保し、本体にはWi-FiとAndroid OSを搭載。プロジェクタでは「AbemaTV」「YouTube」などのコンテンツが見られるほか、「うごく太陽系」「日本地図」「世界のふしぎ」といった子供向けコンテンツを用意する。コンテンツ以外にもオンラインで時間外に小児科の医師とビデオチャットができる「小児科オンライン」やベビーシッターサービスが頼める「キッズライン」などのサービスも利用できる。
AirPlay、DLNA、Miracastのミラーリング機能も備え、スマートフォン内の画像や動画をプロジェクタで写すことも可能。コンテンツは今後も増やしていく予定だ。プロジェクタ部はXGIMI製で、明るさは700ANSIルーメン。DLP方式を採用し、光源にはLEDを使用する。ハーマンカードン製のスピーカは、Bluetoothスピーカとしても使用できる。
量産にあたっては、最終組立工程と出荷前検査をVAIOが担当しており、「日本国内での生産は必須だと思った。調べたところ最も望ましいのがVAIOだった」(程氏)と、量産化においてVAIOとのパートナーシップが条件だったことを明かした。
「当初はかなりタイトなスケジュールでお願いしたため、一度断られたが、何度も訪れ、リソースなどを工夫していただくことで実現した」と程氏はVAIOとのパートナーシップ締結までを振り返る。VAIO NB事業部事業部長の橋本克博氏は「PCを長年製造している知見をいかして、ものづくりのお手伝いをしている」とコメントした。
popIn Aladdinは、5月6日まで、東京都世田谷区にある蔦屋家電に体験ストアを設置。開催期間中に購入した人の中から抽選で5名に全額キャッシュバックキャンペーンを実施する。
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