著作権侵害が影響を及ぼすのは米国のエンターテインメント業界だけではないことが、新たな調査により明らかになった。業界の収益の可能性を制限しており、経済にも損害を与えている。
米商工会議所の世界革新政策センター(Global Innovation Policy Center:GIPC)が米国時間6月18日に発表した新たな調査結果によると、世界的なデジタル著作権侵害による米国の映画テレビ業界への被害総額は年間で292億~710億ドル(約3兆1500億円~約7兆6500億円)に及び、業界全体で11~24%の減収になるという。また、著作権侵害により23万~56万の雇用が失われ、2017年の米国の国内総生産(GDP)の損失額が475億~1153億ドル(5兆1200億円~12兆4200億円)に及ぶことが調査結果で示されている。
「動画のデジタル著作権侵害により、米国経済は多大な損失を被り、コンテンツ制作企業やデジタル配信革命を推進する革新的な技術企業などの多岐にわたる企業が損害を受けている。1つの対策で解決できるわけではなく、業界と政府が世界的に連携して著作権侵害の危険性を消費者に伝え、侵害に対する法的選択肢を拡大することが、こういった負の影響を抑制するのに必要だ」と、GIPCの最高執行官であるDavid Hirschmann氏は調査報告書で述べた。
今回の調査に用いられた手法は、デジタル海賊版の映画やテレビ番組のエピソードの数やそれらのコンテンツの市場価値、そのうちの何割が購入される可能性があったかに基づいて出した推定値を使用するというもの。調査によると、著作権侵害が最も多かったのはオンラインストリーミングで、侵害されたコンテンツの80%以上を占める。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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