電動スクーターレンタルのBirdが、自社よりも小規模なスクーターおよびモペッドレンタルのScootの買収を発表した。両社は米国時間6月12日、合併によってより迅速に世界中へと事業範囲を拡大し、スクーター、モペッド、自転車を含む、より多くの種類の電動アシスト車両を提供することができるようになると述べた。
電動スクーターレンタルのBirdは、瞬く間に企業規模を拡大していった。カリフォルニア州サンタモニカから始まり、2年も経たないうちに、米国の100以上の都市と欧州で事業を展開するまでに成長した。それと比べると、Scootの成長ははるかに緩やかだ。同社は2012年にサンフランシスコでモペッドのレンタルを開始したが、現時点でもそことバルセロナでしか事業を展開していない。
Birdの最高経営責任者(CEO)で創設者のTravis VanderZanden氏は、12日の声明で、同社はScootとともに「自動車での移動を誰もが利用できるマイクロモビリティに置き換えるという、両社の相補的なミッションをさらに拡大していく」つもりだと述べた。
BirdとScootの合併は、理にかなっているように見えるが、両社の社風はまったく異なる。
Birdのスクーターは対立を生む話題になっている。電動スクーターサービスが開始された都市ではその直後から、数百台のスクーターが歩道に溢れかえった。スクーター利用者が道路法に従わず、歩道を走って好きな場所に乗り捨て、駐車場や駐輪ラック、車いすの利用を妨げて、歩行者を危険にさらしていることに不満な住民もいた。
Scootは常に規制当局と連携し、事前に許可を得てから、安全性と駐車スペースを考慮したプログラムを展開してきた。そのアプローチは、車両が路上の妨害にならないように、徐々に展開していこうというものだった。
サンフランシスコ市交通局(SFMTA)は2018年8月、市内の道路で乗り捨て可能な電動キックスクーターのレンタル事業の運営をめぐり、Scootを認可した。このときBirdは認可を得られなかった。このたびの買収がScootに対する認可にどう影響するかは明らかではない。本件についてSFMTAにコメントを求めたが、回答は得られていない。
買収条件に基づき、ScootはBirdの完全子会社にはなるが、Scootとして運営を続ける予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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