スマートフォンネイティブが見ている世界

女子高生がインスタに「#変顔」を投稿する理由 - (page 2)

「変顔」は女子ウケが抜群

 正直今でも、変顔が男子ウケをするわけではない。変顔はひかえめにした方が男子ウケはするが、女子ウケしたいなら「全力での変顔」が絶対だ。「モテるために生きてる」と言い切るゆうこすはやはり変顔はかなりひかえめだし、女子ウケをしたいなら積極的に変顔をしていくことになる。

 たとえば「千年に一度の美少女」と呼ばれた橋本環奈さんは、映画やドラマの中で積極的に思い切った変顔を披露しているし、ワコールの青春中のPK(P=パンツ、K=くいこむ)を救済するための女子高生をターゲットとしたショーツ「non!PK」のCMでは、美少女JK役の豊田留妃さんが全力で変顔をしている。どちらも女性からの好感度を意識したものだろう。

 このように、綺麗な子や可愛い子が全力で変顔をしていると、むしろ同性内での好感度が上がる傾向にある。友だちみんなで変顔で撮影する機会があるので、「写真を撮る時に使える変顔をしたい」というニーズがあるくらいだ。

 SNSによって、あらゆることは透明性が高くなり、色々なことが他人からも筒抜けになった。それによって、メイクで盛れるスキルや撮影スキル、どのような生き方をしているか、どんな性格かなどが重視されるようになってきたのではないか。

 特にまだ世界が狭い女子高生では、同性の友達の中で嫌われたくない、好感を持たれたいという思いが強い。そこで、同性に好かれるために変顔が頻繁にされるようになったのだろう。異性ウケがよくない変顔をあえてできることで、同性の警戒心を解く効果があったのではないか。

 10代における価値観は、スマホやSNSなどによってどんどん変化し続けている。今後もこのような動きを追っていきたい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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