衛星の太陽電池パネルが太陽光を反射している場合、天文学者は観測画像内の衛星の存在を把握しなければならない。SpaceXは、衛星のデザインについて打ち上げ前にあまり詳細に説明しなかったので、一部の天文学者は、衛星があまりにも明るいことに驚いている。だが、衛星は周回軌道に載るとパネルの向きを調整するので、明るさは減るはずだ。
ハーバードスミソニアン天体物理学センターの天文学者、Jonathan McDowell氏は自身のツイートでこれを分かりやすくまとめた。衛星は「予想以上に明るく、問題があるが、空が燃えているというほどではない」という。
良い知らせだ。Starlinkの衛星が軌道に乗って太陽電池パネルを太陽に適切に向ければ、明るさはかなり低くなる(マグニチュードパー平方秒角は2というより5に近い)。それでも予想したよりは明るく、問題があるが、空が燃えているというほどではない。
So the good news: it seems that once the Starlink sats point their solar panels at the Sun properly they are significantly fainter (more like mag 5 than mag 2). That is still brighter than we had expected and still a problem, but somewhat less of a sky-is-on-fire problem.
— Jonathan McDowell (@planet4589) 2019年5月26日
「空が燃えているというほどではない」のならやや安心だ。だが、天文学会では明らかに問題になっているようだ。
SpaceXの最高経営責任者(CEO)、Elon Musk氏はすぐに衛星システムを擁護すべく、「経済的に恵まれない何十億人もの人々を助けることは、より大きな善」だが、SpaceXはStarlinkによる天文学への影響を減らす計画であるとツイートした。「われわれは科学を非常に重視している」とMusk氏。同氏は、Starlink担当チームにアルベド(衛星が反射する光の量)を減らすよう指示したとも述べた。
また、あるユーザーが、Starlinkのシャーシに宇宙望遠鏡を設置することで天文学者をなだめるようアドバイスしたことを受け、Musk氏は「まさにそうしたいと思っている」とツイートした。そうすれば、懸念は和らぐかもしれない。だが、それで地球上軌道への急速な進出がスローダウンするかといえば、そうはならないだろう。
「宇宙関連機関や組織は数十年にわたって空を散らかしてきており、長期的な影響について非常に甘い態度をとっている」(Gorman氏)
今後多数の衛星コンステレーションが予定される中、規制機関や衛星事業者にとって、宇宙ゴミを適切に管理することが重要になる。すべての宇宙ロボットが衝突したら人類は地球に永遠に縛り付けられることになるだろう(そんなことにはならないだろうが、あり得る破滅的なシナリオだ)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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