アグリテックベンチャーのukkaは5月27日、W venturesなど計3社と、メルカリ小泉氏を含む個人投資家計3名を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額1億2000万円の資金調達をしたと発表した。
今ラウンドの引受先は、W ventures、KVP、SMBC ベンチャーキャピタル、小泉文明氏(メルカリ取締役社長兼COO)、西川順氏(エウレカ共同創業者)、武市智行氏(武市コミュニケーションズ 代表取締役)。
ukkaは、オーナー制度プラットフォーム「OWNERS」を運営する。全国の農業・水産・加工品の生産者が提供するオーナープランに登録すると、生産過程や収穫の様子を楽しみながら、最も旬な時期に生産者から直接商品が届く、一次産業品をベースとした参加型の商品購入サービスだ。
この仕組みにより、生産者側のキャッシュフローが悪い、価格決定権がなく売価が安い、規格外品が流通しない、食べる人の顔が見えない、といった生産者側の課題を解決すると同時に、消費者側の「特別なものを食べたい」「最も美味しい時期に新鮮なものを食べたい」「食の裏側を知りたい」といったニーズをマッチングする。
現在は、全国100以上の農業・水産・加工品生産者と連携。生産者によっては年数百万の売上げを確保するなど、新たな直販手段として機能してきた。三菱地所グループや地方自治体との連携を実施し、都内マンションやレストランを活用したオフラインでの接点創出、利用機会の拡大も進めている。
今回の資金調達によりオーナー制度の仕組みをより高付加価値なものにしつつ、日常使いの単発購入や、お気に入り生産者・食材のサブスクリプションなど、ニーズに合わせた販売形態を取り入れていく。
西川氏は、「今までの一次産業の流通の仕組みでは、生産者側の課題と、消費者側のニーズどちらも解決しきれていなかった。OWNERSは、それらの解決策になり得ると同時に、私たち消費者に新たな価値と体験を提供してくれる素晴らしいプラットフォーム」と期待を寄せる。また小泉氏も、「簡単にいえば、めちゃくちゃ美味しい食べ物が買えるサービス。今後の成長が楽しみな会社であり、株主として応援していきたい」とコメントを寄せた。
「お取り寄せ」の市場規模は1.3兆円と言われる。作り手の背景を知り、直接つながりを持ちながら持続的に購入することで、「ファンだからこそ買える」「お得意様」といった特別感、参加感や体験までを含めた価値を創出し、お取り寄せをアップデートするとしている。
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