サンフランシスコ市が、警察などの行政機関による顔認識技術の使用を禁じる条例案を可決し、同市内でのこの技術の採用に歯止めをかけた。
この条例案は米国時間5月14日に市の管理委員会(市議会に相当)で承認され、投票結果は賛成8、反対1、棄権2だった。米ZDNetの姉妹サイトである米CNETが報じているように、このような禁止条例を施行する都市は、米国ではサンフランシスコ市が初めてとなる。
この新しい条例は警察などに対し、利用する監視技術の種類を明らかにすることも義務付けている。採用される監視技術が、補助金などの申請に関連している場合は、特にこの要件が厳しく適用されるという。
「顔認識技術は市民の権利と自由を危うくしかねないものであり、その危険性はメリットとされる内容をはるかに上回っている。また、この技術は人種間の不公平を増幅させ、政府による継続的な監視を受けずに生活する自由を脅かすものだ」とこの条例には記されている。さらに条例には、以下のような記述もある。「監視技術への資金提供や技術の取得、利用の是非と方法、およびこのような技術によって得られたデータの公開の是非に関する決定は、可能な限り市民から十分な意見を募り、その意見を十分に尊重した上で行われる必要がある」
車両ナンバーの認識技術や監視カメラはすでに一般的に容認されているが、顔認識技術は世界各国の警察が積極的にその可能性を探っている段階だ。
今回の条例は、サンフランシスコ市の管理委員(市議会議員に相当)を務めるAaron Peskin氏が提案したもので、非営利団体の米国自由人権協会(ACLU)北カリフォルニア支部などの人権擁護団体が支持を表明していた。
サンフランシスコ市警察は、現時点で顔認識技術は使用していないとの声明を発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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