Intelのチップにまたしても脆弱性が検出された。熟練したハッカーならば、マイクロプロセッサーから機密情報を引き出すことが可能だという。Intelと独立系のセキュリティ研究者らが米国時間5月14日に明らかにした。
研究者らによると、マイクロプロセッサーの脆弱性は「Microarchitectural Data Sampling(MDS)」と総称され、4つの関連技術で構成されるという。悪用されると、コンピューターのその他の部分のセキュリティを担うパスワードなどの情報が奪われる可能性がある。この調査結果について先に報じていたWiredは、この脆弱性の影響を受けるPCは膨大な数になるとしている。
10を超える組織にそれぞれ所属する複数の研究者らが14日、この脆弱性に関する調査結果を発表した。この脆弱性は、2018年に発表された「Meltdown」や「Spectre」と同種類で、いくつかの類似性が見られるという。まず、タスクをより高速に実行できるようにハードウェアに保持される、チップ上に格納されたデータに影響を与えることだ。また、ハッカーは新しい脆弱性を利用することで、チップから情報を盗む前に、不正なソフトウェアをユーザーの端末上で実行できるという。
Intelは声明で、この脆弱性を利用した攻撃から身を守る最良の方法は、システムソフトウェアを最新の状態に保つことだと述べた。この脆弱性は、第8世代と第9世代の「Core」プロセッサーと、第2世代の「Xeon Scalable」プロセッサーファミリーで修正されている。それ以外のチップには、マイクロコードアップデート(MCU)が提供される。
Intelは、この脆弱性に対する同社の修正によって、さまざまなプロセッサーの性能にどのような影響が生じるかを示すデータも公開した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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