欧州連合(EU)の重要な選挙を数週間後に控えたタイミングで、ロシアや極右組織とつながりのあるウェブサイトやソーシャルメディアのアカウントが偽の情報を拡散させ、政治的不和を助長しているという。The New York Times(NYT)が米国時間5月12日に報じた。
このキャンペーンは、2016年の米国大統領選挙への干渉を含むロシアの過去の攻撃で用いられた手法と共通点が多いと、EUの捜査当局らはNYTに語った。例えば、イタリアのある過激な政治論説ウェブサイトはロシア寄りのウェブサイトと同じ電子署名を持っており、ドイツの2つの政治関連グループはロシアのハッカーが米民主党全国委員会(DNC)への侵入時に使用したサーバーを共有している。
これらのキャンペーンは今後も続くと米国の諜報機関は議会に警告していた。しかし、多数の極右の追随者がロシアにとって有利な主張を繰り返しているため、ロシアの関与の度合いを特定するのは難しいと捜査当局は述べている。
EUの捜査当局は、FacebookやTwitterのアカウントのネットワークがEUや北大西洋条約機構(NATO)、移民などの問題について、不和を生じさせる偽情報を拡散させているとの見解だ。上院のために準備された分析では、2016年の大統領選挙の前に、ロシアの偽情報キャンペーンがFacebookやTwitter、YouTubeを含むあらゆる主要ソーシャルメディアプラットフォームを使って、米国人の間に政治的不和の種をまこうとしたことが明らかになっている。
Facebookは5月に入り、ウクライナなどの欧州の一部の国の政治に関するコンテンツを投稿したロシアの偽アカウント、ページ、グループ118件を削除したと述べた。また、欧州議会選挙に先駆け、フェイクニュースを取り締まるため、アイルランドに新しいオペレーションセンターをオープンしている。
今回のキャンペーンでは、ロシアの報道機関から直接入手したメッセージが使用されているとNYTは報じたが、捜査当局はロシアが特定の候補者を支持していると公に批判することはしていない。セキュリティ研究者らは、何百万もの人々がこのプロパガンダコンテンツに接したと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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