米連邦通信委員会(FCC)は米国時間5月9日、中国移動(チャイナモバイル)による米国内でのサービス提供を許可しないことを投票で決め、国家安全保障上の懸念から中国の他の通信事業者についても状況を調査中だと述べた。
FCCの委員らは、チャイナモバイルUSAが2011年に届け出た米国における国際電話サービス提供の申請を全会一致の5対0でを却下した。中国政府の支配下にある通信事業者が、米国の通信ネットワークへのアクセスを利用して、国家の安全を脅かすことが懸念される中で、複数の連邦情報機関がFCCに申請の却下を求めていた。
FCCのAjit Pai委員長は採決に先立ち、「中国政府が、中国移動を利用して、米国の国家安全保障や法執行、経済的利益を深刻な危機にさらす活動を行う危険性が大いにある」と述べていた。
FCCのBrendan Carr委員は、すでに米国における事業運営を承認されている中国の他の通信事業者についても調査を求めた。
Pai委員長は会合後の記者会見で、これらの通信事業者が受けた承認について、FCCはすでに「調査中」だと述べた。
チャイナモバイルの参入申請の却下や中国の他の通信事業者に対するさらなる調査は、米国企業が中国製の通信機器を購入するのを許可するかどうかをめぐって米国と中国の一触即発の対立が顕著に激化していることを意味する。また、米国が中国からの輸入品に課している関税をめぐってホワイトハウスと中国政府当局の交渉が過熱していることからも、対立が激化している。
Donald Trump米大統領は、中国が公正な貿易を行っておらず、米国企業に損害をもたらしているとして同国を再三にわたり非難している。米国は10日、中国からの輸入品の関税率を10%から25%に引き上げる見通しだ。中国政府は米国の措置に報復するとみられる。
また、米国を技術的に追い越そうとする中国の取り組みに対する懸念も顕著になっている。中国は、移動通信技術「5G」の開発競争において米国にとって重大な脅威と見なされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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