UPDATE Donald Trump米大統領のツイートがきっかけで、イスラム教徒のIlhan Omar下院議員の殺害を予告するツイートが大量に投稿された。Twitterの最高経営責任者(CEO)であるJack Dorsey氏は米国時間4月23日、Omar氏に電話し、Trump大統領のツイートを許可したTwitterの決定について議論した。
電話の主な話題は、Trump大統領が4月上旬に投稿したツイートだった。このツイートには、Omar氏が2001年9月11日の同時多発テロを問題視していない証拠とされる動画が添付されていた。この動画では、Omar氏が先頃の演説で述べたコメントと、ハイジャックされた飛行機が世界貿易センターに突っ込む画像が文脈を無視して合成されていた(同氏はこの演説で、「誰かが何かをした」と述べた)。
情報筋がThe Washington Postに述べたところによると、TwitterがTrump大統領のツイートを削除しなかった理由について、Omar氏から電話で尋ねられたDorsey氏は、Trump大統領のツイートがTwitterの規則に違反していなかったからだと答えたという(同紙は両者の会話について先に報じていた)。Dorsey氏は、このツイートがTwitterの外部でも共有されたことを指摘したが、Twitterが憎しみや嫌がらせのコンテンツを同サイトからさらに効果的に排除する必要があることを認めたと、同紙は報じた。
Twitterの広報担当者は25日、Dorsey氏とOmar議員が会話したことを認めた。
「会話の中で、(Dorsey氏は)殺害予告、暴力の扇動、憎しみに満ちた行動がTwitterで許可されていないことを強調した」と広報担当者は述べ、「当社はこの種のコンテンツをプロアクティブに検出する技術に多額の投資をしており、標的にされた個人の負担を減らす取り組みを今後も続けていく。当社のチームは、Omar下院議員の事務所と頻繁に連絡を取っている」とした。
Omar氏が14日、同氏を殺害すると脅すツイートがTrump大統領による動画投稿の後に増えたとツイートしたことで、Twitterに対する批判がより厳しくなっていた。Twitterは通常、同社の利用規約に違反するツイートに関する報告を受けた場合、そのツイートを削除しているが、この件に詳しい情報筋によると、Twitterは法執行機関による捜査が行われた場合に協力するため、それらのツイートを一時的に残していたという。
Omar氏の「誰かが何かをした」という発言は、テロ攻撃について述べるには無礼または不真面目だと考える人々もいる。だがTrump大統領のツイートに引用されたOmar氏の発言は、実際はアメリカ・イスラム関係評議会(The Council on American–Islamic Relations)でOmar氏が行ったスピーチで、イスラム教徒の米国人の権利を擁護するためのものだった。
およそ6000万人のフォロワーがいるTrump大統領は、Twitterで最もフォローされているユーザーの1人で、そのツイートが物議を醸すこともある。Twitterは、Trump大統領がヘイトスピーチを拡散したり、暴力を誘発したりしているとの主張に基づき、同大統領をプラットフォームから追放するよう求める声に直面してきた。その一方で、Twitterは同大統領によるツイートの報道価値も考慮している。
米CNETはOmar氏からすぐにコメントを得られなかった。また、ホワイトハウスにTrump大統領のツイートに関するコメントを求めたが回答を得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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