不動産✕情報通信から生まれた全く新しい不動産ファンド「bitREALTY」 - (page 2)

NRIの見えない力があってこそできた完全オンライン化

――投資対象の物件は、ケネディクスと連携して選択しているのでしょうか。

 そうです。ケネディクスが持つ不動産の知見を生かし、投資物件にするかどうかは外部委員である不動産鑑定士の方もメンバーに入る投資委員会で協議しています。もちろん取扱物件は実査にも行き、かなり細かい部分も確認しています。物件は実際に見ないとわかりませんから。

 一方で、会員登録の部分は徹底的にオンライン化しています。今までは対面で、紙に記入してもらい、サインしたものは、郵送で送られてくるといった流れでしたが、それをすべてオンライン上で完結しました。電子署名なども利用していますし、ネット証券などと同様の仕組みを採用しています。

――不動産ファンドでここまでのオンライン化を進めるのは大変だったのではないでしょうか。

 そこはやはりNRIという力強いパートナーがいるので、乗り越えてきました。NRIのシステムがあるからこそできたビジネスだと思っています。何かあった時に迅速に対応もできますし、この見えない力は非常に大きいですね。

 私自身、以前NTTの無線LAN新規事業開発のチームにおりまして、無線LANの普及活動を担当していました。当時の目標は、電車の中でPDAを使って新聞や雑誌のコンテンツを見られるようにすること。PDAではなく、スマートフォンに代わりましたが、この目標は達成できました。

 今の目標は、スマートフォンで不動産投資を検討してもらえるような環境を作ることです。不動産投資と聞くと、大量の書類が必要で、時間もお金もかかるというイメージですが、そのイメージを変えていきたい。スマホ1つで、通勤時間の合間に投資できるような、そんな投資商材にしていきたいと思っています。

――まずはどんな不動産ファンドなのか、一人でも多くの人に伝える必要がありますね。

 そうですね。現時点では不動産や金融の投資に知識のある人が中心ですが、わかりやすいユーザーインターフェースや商品のラインアップを増やすことで、認知拡大につなげていきたいと思っています。今は安全で利回りが低めのものに絞っていますが、将来的にはエクイティまで取り扱っていきたい。これはそう遠くない未来に実現させたいと思っています。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点Jリートの上場に参画。太陽光パネルメーカーCFO、三菱商事合弁の太陽光ファンド運用会社CEOを歴任。クロージング実績は不動産や太陽光等にて3500億円以上。2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナー等を開催するほか、不動産会社やIT企業に対してコンサルティングを実施。自社においても不動産売買支援クラウド「キマール」を展開。2018年、不動産テック協会の代表理事に就任。早稲田大学法学部を卒業後、政治学修士、経営学修士を取得。コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。 

 

川戸温志

NTTデータ経営研究所 シニアマネージャー

大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。

 

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