米大統領選へのロシア介入疑惑に関するRobert Mueller特別検察官による捜査報告書の編集版が、米国時間4月18日に公表された。この直後、複数の民主党議員がMueller氏に対し、議会で捜査について証言するよう正式に要請した。
下院司法委員会のJerrold Nadler委員長は18日、声明の中で、「編集版ではあるが、Mueller氏の報告書には、(Donald)Trump大統領が司法妨害などの不正行為に関わったことを示す憂慮すべき証拠が記載されている」と述べた。
Nadler氏はMueller氏に書簡を送付し、5月23日までに下院司法委員会で証言するように要請した。下院情報委員会のAdam Schiff委員長もMueller氏に書簡を送付し、5月中に下院情報委員会に出席するよう求めた。
2020年の民主党の大統領候補であるElizabeth Warren上院議員は、Mueller氏は議会で証言すべきだとツイートした。
This is a disgrace. The American people deserve answers—and Special Counsel Robert Mueller should testify publicly before Congress. #ReleaseTheFullReport pic.twitter.com/ROG0Bt6JVq
— Elizabeth Warren (@ewarren) 2019年4月18日
William Barr司法長官は18日の記者会見で、「Robert Mueller氏が個人的に証言することに異議はない」と述べた。Mueller氏は、Barr氏が現在長を務める司法省の下で特別検察官に任命されている。
複数の民主党議員がMueller氏の証言を要請したことは、同氏の報告書をめぐって次の争いが勃発する可能性を示している。Mueller氏による捜査は、2年間にわたってTrump政権に影を落としていた。Trump氏が2016年の選挙でロシアと協調したのか、また同氏がMueller氏による捜査に関して司法を妨害したのかという点について、Mueller氏がどのような結論を下すのか、さまざまな疑問が生じていたからだ。
Mueller氏の報告書によると、この捜査では、Trump氏の選挙陣営とロシア人の間で選挙干渉についての合意があったことを示す証拠は発見されなかったという。司法妨害の問題については、結論が出ていない。この問題に関して、Mueller氏は、「この報告書は、大統領が罪を犯したと結論付けるものではなく、大統領の嫌疑を晴らすものでもない」と述べた。
Nadler氏は18日、司法妨害の可能性に関するMueller氏の捜査結果について、懸念を表明した。一部の民主党議員は、報告書が編集されていることに不満を述べた。
上院情報特別委員会のMark Warner上院議員は、「上院情報委員会は独自の捜査を続けている。私は完全な説明、編集されていない報告書、特別検察官の捜査結果を裏付けるすべての資料を受け取れると期待している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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