移動体験に革新をもたらす--京急がアクセラレータプログラムの採択企業を発表 - (page 2)

 triplaは、国内約400カ所の宿泊施設予約サイトにおいて、5言語で利用可能なAIチャットボットサービスを展開している。アクセラレータプログラムにおいては、短期的には京急グループが展開する宿泊施設へのAIチャットボットサービスを実施する。また、tripla 代表取締役CEOの高橋和久氏は中長期的な目標として、「京急グループが持つ、鉄道やバスといったモビリティと連携し、移動手段の中でチェックインができるようなMaaS(Mobility as a Service)ソリューションを手掛けたい」と説明した。

triplaが提供するAIチャットボット。このチャットボットを京急グループの宿泊施設に展開するほか、将来はMaaSに繋げていくという
triplaが提供するAIチャットボット。このチャットボットを京急グループの宿泊施設に展開するほか、将来はMaaSに繋げていくという

 タクシーの相乗りアプリ「nearMe.」を手掛けているNearMe。スマートフォンを利用して相乗り相手をマッチングすることで、最大で40%安くタクシーに乗車できるという。現在はこの個人間マッチングのみを手掛けているが、今後は最大9人乗りの「シャトル」を展開。タクシーより安くバスより便利なポジションとして、空港送迎や都市型交通、インバウンドで活用できるモビリティを目指すという。NearMe 代表取締役社長の髙原幸一郎氏は、「アクセラレータプログラムではシャトルを用い、観光地での移動サービスを展開する」と語った。

タクシー相乗りアプリ「nearMe」。京急沿線では独自のシャトルを運行して相乗りサービスを展開し、観光地の移動需要に応える
タクシー相乗りアプリ「nearMe」。京急沿線では独自のシャトルを運行して相乗りサービスを展開し、観光地の移動需要に応える

 Nature Innovation Groupは、LINEを活用して傘を借りることができるシェアリングサービス「アイカサ」を展開している。24時間あたり70円、1カ月最大料金を420円と設定することで、ビニール傘を購入するよりも格安な設定にしている。今回のプログラムにおいては、短期的には品川エリアの商業施設でサービスの展開を目指す。また中長期的な目標として、エリアの拡大に加えて雨天時の移動データを収集。商業施設のクーポンを配布するなどの施策により、街の回遊性向上を目指すとしている。同社で代表取締役を務める丸川照司氏は、「雨の日の移動を変えるとともに、このデータを活かして他のサービスと連携し、顧客体験の向上を目指したい」と述べた。

傘のシェアリングサービス「アイカサ」で提供される傘。LINEの画面に表示される暗証番号を入力すると使用できる仕組みだ。このサービスで収集した移動データを活用し、回遊性や顧客体験の向上を目指す
傘のシェアリングサービス「アイカサ」で提供される傘。LINEの画面に表示される暗証番号を入力すると使用できる仕組みだ。このサービスで収集した移動データを活用し、回遊性や顧客体験の向上を目指す

 KEIKYU ACCELERATOR PROGRAMは今後、4月~7月を事業共創期間に設定。この期間にテストマーケティングを実施する。8月に成果発表会を開いた後、2期プログラム終了後に資本業務提携などの検討に入る。京急の橋本氏は、「京急グループが手掛ける移動サービスや宿泊サービスは、シーンごとの利便性が悪かったほか、それぞれが連携できていなかった」と現状の課題を説明。その上で、「今回採択したサービスをシームレスに連携できる世界を目指す。この第一歩がKEIKYU ACCELARATOR PROGRAMだ」と、今後に対する意気込みを見せた。

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